2023年10月のコアアルゴリズムアップデートの動向

10月10日頃からコアアルゴリズムアップデートによる順位変動を観測しました。今回は、10月15日時点のデータをもとに、影響を受けたサイトの動向について解説します。

※2023年10月25日:コアアップデート完了後に解析しました。調査結果はこちらの記事を御覧ください。

金融系キーワードで変動したサイト

まずは金融系のキーワードに注目です。

クレジットカードやキャッシングなど、競争が激しいYMYL(Your Money Your Life)キーワードの1位~5位までのドメインのヒットキーワード数をグラフで表した結果を見てみましょう。

ロールアウト直後はほとんど動きが見られませんでした。しかし、10月10日から11日にかけて急激な変動があり、現在に至ります。

今回上昇したサイトを見ると、大手のクレジットカード企業や信販会社、中堅のクレジットカード企業、保険代理店のサブディレクトリメディアなど、事業者や公式サイトが目立ちます。

一方、下落してしまったサイトを見ると、企業ドメインを利用したアフィリエイトサイトやメディアのサブドメインを活用したアフィリエイトサイトが多く見られます。

まだハッキリとは言い切れませんが、ここまでの状況を鑑みると、ドメイン評価と運営元のテーマ属性やコンテンツの関連性の一致が重要であるとも考えられます。そしてこの傾向は2021年頃のコアアルゴリズムアップデートに似ていると感じました。

ガジェット系キーワードの動向

次にガジェット系のキーワードを見てみましょう。

下のグラフは、モバイルバッテリーやプリンター、タンブラーなどの1100個の購入系キーワードで上位1位~5位までのドメインのヒットキーワード数を表したグラフです。

購入系キーワードは通常、アップデートによる変動は少ない傾向にありますが、今回の10月のアップデートでは変動が見られました。

特に興味深いのは、あるガジェット系のコンテンツサイトで、9月のヘルプフルコンテンツアップデートで順位が下がりましたが、10月のコアアップデートで再び順位を戻しています。

このサイトは大手企業のドメインを借りており、その為なのか9月のヘルプフルコンテンツアップデートで下げた順位を、もう一度上げ直している傾向が見られます。

医療系キーワードの動向

次に医療系のキーワードを見てみましょう。

疾患名や病名のキーワード2,000個の上位1位~5位にヒットするドメインのヒットキーワード数を表したグラフです。

注目すべきは、Wikipediaという信頼性の高いサイトが順位を下げたことです。通常、Wikipediaは安定した順位を保っていますが、今回のアップデートで順位を下げたことは注目すべき変化です。

Wikipediaが下げた一方、これらキーワードで医療系の専門コンテンツサイトが順位を上げています。

やや短絡的な解釈かもしれませんが、この状況下からも、ドメイン評価だけでなく、サイトの専門性が順位に好影響を与えているのではないかと考えることもできます。

以上から、ドメインの評価だけでなく、属性やテーマの一致が重視されていることが示唆されます。

その他、脱毛や医療脱毛、FXや仮想通貨、不動産や住宅購入系のキーワードにおいても、公式サイトやサービスを提供/運営している企業サイトの順位が上がっています。

逆に、ただ単にドメイン評価だけで順位を上げていたサイトでテーマや属性の一致がないサイトは順位を下げた傾向が見受けられました。

順位決定要素はまた単純化した?

直近で行われた2023年8月のコアアルゴリズムアップデートでは、上位サイトの特徴や統計的な特徴が明確ではありませんでした。ですから、順位決定要素がより複雑的になったと考えていました。

しかし、今回の10月のコアアップデートでは、上下サイトの特徴がよりハッキリと見えるようになり、順位決定要素が単純化したとも見受けられました。

Googleのアルゴリズムは、ここ数年に渡り順位決定要素の重みを何度か変化させてきました。

2020年5月以降はドメインの信頼性に注目していましたが、その後はE-E-A-Tやドメイン評価、検索体験など、あらゆる要素を総合的に判断して順位を決定していました。

しかし、今回の10月のコアアルゴリズムアップデートでは、再び単純な要素に戻っているように思えます。

今回10月のコアアルゴリズムアップデートでは、ドメイン評価といった単純な要素に再び重きを置いているように見受けられます。ドメイン評価と属性の一致(E-E-A-Tの担保や一致など)が重視されています。これは、2021年頃のコアアルゴリズムに再び戻っていると感じました。

ただし、すべてのサイトがこの傾向に従っているわけではありません。例えば、ある大手のコンテンツサイトは、さまざまなテーマを一つのドメインで扱っていますが、順位を上げています。

データを見ると、10月のアップデートで再び順位が上がっていることがわかります。

このサイトは脱毛ケア、クレジットカード、転職、ガジェットなど、さまざまなテーマを一つのドメインで扱っています。ドメインの属性とコンテンツのテーマの一致がほとんどないにもかかわらず、順位が上がっているのです。

したがって、ドメインと属性の一致だけでなく、コンテンツの質とドメインの信頼性も複合的に考慮されているのでしょう。

まとめ

2023年10月のGoogleコアアルゴリズムの動向について、10月15日時点の状況を解説しました。

今回の10月のアルゴリズムアップデートでは、ドメイン評価と信頼性や属性一致(E-E-A-Tの担保や一致)から順位が決定されたとも見受けられる、そんな検索結果状況でした。(※10月15日時点)そして、2021年のアップデートに似た傾向という印象を、私は受けました。

ただし、この傾向が全てのサイトに当てはまるわけではありません。一部のサイトでは異なる傾向が見られるため、すべてのクエリにおいて「ドメイン評価+属性の一致」が必須とは言い切れません。

尚、10月15日時点ではコアアルゴリズムアップデートはロールアウト中です。今後も検索変動が発生する可能性があります。

※この文章は、YouTube動画をAIで書き起こし、要約したものです。