YMYLとは何か?3.7万キーワードの調査から分かった該当ジャンルと対策方法

YMYLは、昨今のSEOで重要な要素の1つです。

しかし、健康やお金に関するテーマとはわかっていても、どのようなジャンル・キーワードが該当するのか具体的にはわからないという方も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、YMYLのジャンルとは何かYMYL関連のキーワードでも上位表示を図るために工夫できるSEO施策を解説します。

また今回、YMYLジャンルを明確にするために約37,500のキーワードで独自に調査しました。その方法や調査結果も合わせて解説します。

「YMYLジャンルについて具体的に知りたい」「YMYLの取り扱いに関して、理解を深めたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

YMYLとは?どのようなジャンル・領域が該当する?

まず、YMYLがどのようなジャンル・領域を指すのでしょうか。

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、検索ユーザーのお金や生活に関わるクエリやトピックを指します。

より具体的にYMYLを理解するために、Google検索品質評価ガイドラインを読み解いていきましょう。

Google検索品質評価ガイドラインから読み解く「YMYLのジャンル」

Google検索品質評価ガイドラインでは、次の6項目がYMYLとして挙げられています。

  • ニュースや時事情報
  • 公共サービスや法律
  • 金融
  • ショッピング
  • 健康や、その安全性
  • 民族、宗教、性別
  • その他

それぞれ詳しくみていきましょう。

ニュースや時事問題

ニュースや時事問題には、以下のトピックが該当します。

  • 国際的イベント
  • ビジネス
  • 政治
  • 科学
  • テクノロジーなど

ただし、あらゆるニュースがYMYLと見なされるわけではありません。スポーツやエンタメ、ライフスタイルなどはYMYLに指定はされないようです。

また、どのテーマがYMYLに該当するかは地域によっても異なり、日本と海外でもYMYL指定に差が生じていると考えられます。

公共サービス・法律

公共サービスや法律には、市民(人々)の生活を維持するための重要な情報が含まれ、YMYLに該当します。

例えば、次のようなトピックです。

  • 投票
  • 政府期間
  • 公的機関
  • 社会サービス
  • 法的な問題(離婚、子の監護権、養子縁組など)に関する情報など

さらに、国や地方自治体が発表する社会福祉や災害情報などもYMYLに該当します。

まさしく、人々の生活に直結しているテーマはYMYLに該当することがイメージ出来るかと思います。

金融(お金)

金融には、次のトピックが含まれます。

  • 投資
  • 税金
  • ローン
  • 銀行
  • 保険

オンライン決済可能なWebページもYMYLに該当します。

検索ユーザーの金銭事情に大きく影響を及ぼす金融ジャンルは、日本の検索結果でも顕著にYMYLに指定されていることが読み取れます。

ショッピング

ショッピングには、商品やサービスの調査・購入に関する情報やサービスが該当します。

商品の口コミサイトや、特にユーザーがオンラインで購入・返品・販売などができるサイトなどが含まれます。

健康・その安全性

健康・その安全性には、医療行為を中心に、薬物、病院、緊急時の備えなどに関するアドバイスや情報が含まれます。

健康は、後述するWELQ(ウェルク)問題で一時社会問題になったジャンルです。日本では独自の「健康アップデート」が半ば緊急的に適用されるほど、社会的に影響を及ぼしやすいテーマ・ジャンルといえます。そのため、情報の正当性に十分配慮したコンテンツづくりが求められます。

民族、宗教、性別など

このジャンルには、以下に基づいてグループ化された人々に関する情報や主張が含まれます。

  • 年齢
  • 民族性
  • 人種
  • 宗教
  • 性別など

また、体系的な差別などに関する情報も該当します。

その他

その他には、これまで挙げてきたジャンル以外にも、次のようなトピックがあります。

  • フィットネス
  • 栄養
  • 住居情報
  • 学校の情報
  • 就職など

ユーザーの生活に大きな影響を与えるトピックと考えると良いでしょう。

YMYLに該当するかはGoogleのアルゴリズムが判断

何がYMYLに該当するかは、実は、Googleの社員でさえ明確には把握していないとのこと。

GoogleのJohn Mueller氏は以前、英語版オフィスアワーで次のように言及しています。

私たちは、特定のコンテンツをYMYLジャンルだと判断しようとするアルゴリズムを内部的にハードコード(特定の条件をYMYL指定するような直接的な指示を書くコーディング)しているわけではない。(筆者翻訳)

YMYLジャンルを固定的に判別するような設定はしていないということです。

では、どのようにしてYMYLに該当するかどうかを判別しているのでしょうか?それは、アルゴリズムで判断しているのです。

GoogleはWebsite Representation Vectorというツールを使って、WebサイトをYMYLのカテゴリーに分類しています。このカテゴリー分けのプロセスのデータを通して、「専門性(Expertise)」のレベル(度合い)を測っているようです。

参考 The Mechanics of E-A-T: How Google Patents Can Help Explain How E-A-T WorksSearchEngineJournal

Googleの社員でも把握できない「YMYLジャンル指定」となると、我々のような部外者がYMYLジャンルやキーワードを断定するのは極めて困難であると考えられます。

YMYLジャンルを37,482のキーワードで調査

Google検索品質評価ガイドラインでは、YMYLジャンルとして「その他」も記載されており、部外者が公式資料からYMYLジャンルを全て正確に把握することはできません。

しかし、SEOを研究している身としては、どのキーワードやテーマがYMYL指定されているのか気になるところ。

そこで、どのようなキーワードがYMYLに該当するのか具体的に把握すべく、37,482のキーワードを調査してみました。

YMYLジャンル指定の調査方法

37,482のキーワードを使ったYMYLジャンルの調査方法は、次の通りです。

  1. 37,482個のキーワードをランダムに抽出する
  2. 抽出したキーワードを実際にGoogle検索する
  3. 上位10サイトのE-A-T情報を取得する(詳しくはこちらも参照)
  4. E-A-Tが高いサイトの構成比でYMYL属性を判定する
  5. AIを用いてキーワードのカテゴリー付けする
  6. カテゴリーごとにYMYLの度合の高さをチェックする

各キーワードに対してGoogleがYMYL指定しているか否かの判定として、各キーワードの上位1位~10位のサイトのE-A-T属性データをAPIから取得し、利用しました。

参考 WebサイトE-A-T情報データ APISEO研究チャンネル

2021年のGoogle Presents: Search On ’21では、次のような発表がありました:

金融情報を探すにせよ、医療情報を探すにせよ、自治体のような専門機関が発信する情報を優先的に表示している(筆者翻訳)

ここからも、検索結果の上位サイトに公的機関や専門機関のWebサイトが表示されるキーワードは、YMYLジャンルとして指定されている可能性が高いという仮説を立てました。

調査の結果

各キーワードのYMYL調査結果は、次のようになりました。

こちらは、各キーワードが紐づくカテゴリー別に、どれくらいのキーワードがE-A-Tが高いサイトで上位を占められたかを表した集計結果です。

今回は各キーワードの検索結果1位から10位のうち、いくつのサイトが高いE-A-Tかを示しています。

例えば、「0~10%」は、そのキーワードにおいてE-A-Tが高いと判断できるWebサイトが1~10位のうち、1個もしくは0個であったということになります。

今回は判断基準として、50%以上(1位~10位のうち、E-A-Tが確認できたWebサイトは5個以上存在した)のキーワードをYMYLと判断しました。

またこの結果は、カテゴリーごとに調査したキーワードのうち、E-A-Tが確認できるWebサイトが半分近く上位表示したキーワードの比率で、高い順に並んでいます。

あるカテゴリーのキーワードは、全キーワードのうち33%以上もE-A-Tが確認できるWebサイトが上位表示されていたことがわかります。

結果として、次のカテゴリーでYMYLが高いと判定しました。

続いて、これらのカテゴリーをより詳細に分けて、小カテゴリーでも集計&調査しました。

小カテゴリーごとにYMYLと判断できたキーワードの個数を表示したものが下記です。

医療や金融など、まさしく「ザ・YMYL」と言えるようなキーワードが、YMYL指定されていることがわかりました。

Googleの検索品質評価ガイドラインと照らし合わせると、現時点のアルゴリズムでは以下のジャンル・領域のYMYLの度合いが高いことがわかりました。

  • 時事問題
  • 公共サービス・法律
  • 金融
  • 健康・その安全性
  • 民族、宗教、性別など

これらのジャンルでコンテンツを作る際は、まずE-A-Tを担保(確保)したコンテンツ作成ができるかを確認し、発信の正当性が保持できる場合のみ、そのテーマを取り扱うのが望ましいと考えられます。

YMYLジャンルでもキーワードによって求められるE-A-Tは異なる

調査によって、YMYLに該当するジャンル・領域が分かりました。

しかし、YMYLジャンルであるからといって、全てのキーワードでE-A-Tが求められるわけでも無いようです。

医療脱毛を例にみてみましょう。

実際に皮膚に対して医療行為を施す「医療脱毛」は、YMYLに該当すると推測されます。

しかし、「医療脱毛」と別のキーワードをかけあわせると、E-A-Tが高いサイトのみが上位表示されるキーワードもあれば、逆にE-A-Tを担保していないサイトでも上位に表示されることがわかりました。

キーワード難易度分析ツールでE-A-T度合いで分類した結果がこちらです。

“E-A-T 低め”のキーワードでは、発信権威などが確認できなかった個人のブログでも上位順位を獲得していました。

このように、同じキーワードテーマでもクエリごとに求められるE-A-Tが異なることがわかります。

YMYLジャンル・領域に属するキーワードであっても、掛け合わせによってYMYL指定から外れる場合もあるようです。

以上から、YMYL指定されているか確認する場合は、単にメイントピックだけで判断するのではなく、実際にGoogle検索して、上位サイトなどから確認するのが正確であると考えられます。

しかし、YMYL判定はアルゴリズムで行われている為、この判定も常時変化する可能性が高いとも考えられます。

YMYLジャンルで求められる「E-A-T」

YMYLジャンルでは、E-A-Tの有無が重要であることは、検索評価者ガイドラインでも言及されている通りであり、今回の調査でもE-A-Tの担保がYMYLジャンルでの順位上昇に重要であることがわかりました。

では、E-A-Tとは何か解説します。

E-A-Tとは何か

E-A-Tとは、 Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取った言葉です。

専門性 Expertise

専門性はコンテンツの作者、つまり記事の書き手が取り扱うテーマに関して専門知識を持っているか、という点です。そのコンテンツテーマに関わる資格や教育、経験の有無などが問われます。

例えば、病気や疾患に関するコンテンツを書く場合、適切な資格取得している医者、もしくはそれに準ずる者が執筆、監修するのが最善と言えます。

医療に関する誤情報は、ときに検索ユーザーの健康に悪影響を及ぼす可能性も十分あるため、その情報発信に対する責任も求められます。

権威性 Authoritativeness

「権威性 Authoritativeness」は、そのコンテンツを“誰が発信したか”という点です。

権威性は、コンテンツの作者(執筆者)や監修者はもちろん、2022年現在はWebサイト全体でも判断されます。

サイトに権威性があるか判断される基準には、次のような点があります。

  • サイト運営の期間や実績
  • 権威あるサイトからの被リンク
  • 言及数の数(サイテーション)など

実務(リアルな場)で一定の実績がある方や団体であれば、自ずと言及数も増え、オフィシャルサイトへの被リンクも増えるため、これらの要素が権威を測る上でアルゴリズムが利用していると考えられます。

したがって、実務での権威向上が結果的に上記要素(被リンクやサイテーション数など)を向上させることになり、Webサイトの評価向上にもつながります。

また、最近ではネット上での評判(レピュテーション)が重視されつつあります。口コミなどの評判から、著者や組織がそのジャンルに関してどのような評価を実世界で受けているか計測できるからと考えられます。

信頼性 Trustworthiness

「信頼性 Trustworthiness」は、そのコンテンツと作成者がユーザーにとって信用できるかどうかです。

信頼性を示すには、

  • Webサイト上のコンテンツの責任の所在の明示(運営元の住所、電話番号、氏名など)
  • 発信者情報の担保
  • 発信内容の正確性の担保や証明

などが有効と考えられます。

なぜE-A-Tが求められるのか?

YMYLでE-A-Tが重要だということはわかりました。しかし、なぜYMYLでE-A-Tは重視されているのでしょうか?

その理由の1つは、YMYLジャンルで検索ユーザーの生活に大きく悪影響を与える事象が発生したためです。

日本国内の事例では、WELQ(ウェルク)問題がその1つとして挙げられます。

WELQ」とは、かつて存在した健康・医療に関するキュレーションサイトです。

当時、SEOを用いて様々な健康医療系のクエリで上位表示していたWELQ。その後、信頼性のない記事が散見され、大きな社会問題と発展しました。そして、運営元であるDeNA社がWELQを含む9つのキュレーションサイトを休止したのです。

参考:

これを受けて、2017年12月に、健康や医療に関するクエリに対して検索結果を改善するアップデートを急遽Googleが実施。(通称:健康アップデート)日本独自のアルゴリズムとして適用されました。

このように、SEOを逆手に取り上位表示した情報が、人々の生活に大きく影響を与えるような事象は国内外でも多数報告されています。

単に便利な検索エンジンを提供するだけではなく、表示する情報の正当性も今や求められる程、検索エンジンは社会的インフラになっています。この社会的な責任を担うGoogleは、正当性がある検索結果を作るべく、とりわけ人々の生活や身体に影響度合いが高い「YMYL」の領域に対して、発信者の信頼性・権威性・専門性を求めるようになったのです。

E-A-Tの向上施策

YMYLにおいてE-A-Tが重要だとわかったところで、どのようにしてE-A-Tを向上させるのでしょうか?

E-A-Tを高めるポイントとして、以下の9点を解説します。

  1. 著者や運営元を開示する
  2. 一次情報を掲載する
  3. 構造化マークアップを用いてE-A-T情報を伝える
  4. 情報の正確性を担保する
  5. 専門家に執筆を依頼する、あるいは監修者をつける
  6. 情報を最新の状態にする
  7. 良質なサイトから被リンクを獲得する
  8. YMYL領域以外のコンテンツを混ぜない
  9. 本業の評判を高める
1. 著者や運営元の情報を開示する

情報発信者のE-A-Tを明示するべく、著者や発信団体に関する情報を開示します。

例として、

  • 発信者(著者)の氏名
  • 専門性や権威性を証明できる事柄(資格など)
  • 発信者の所在地

などが挙げられます。

Googleの検索品質ガイドライン(2.5.2)には次のようにあります。

すべてのページはWebサイトに属しており、以下を明確にする必要があります。

・Webサイトの責任者(個人、会社、企業、財団など)は誰か。

・評価しているページのコンテンツ作成者(個人、会社、企業、財団など)は誰か。

(筆者翻訳)

メディアの運営者、コンテンツの作成者は、権威性の向上につながると考えられます。

また、これらの情報をユーザーや検索エンジンに正しく伝えるためには、Webサイトの構造にも工夫が必要です。

具体的な対策として、

  • 製品・サービスに関する情報を掲載する
  • 企業サイトや著者情報が載ったページへのリンクを設置する

などが有効でしょう。

2. 一次情報を掲載する

コンテンツには、できる限り一次情報を掲載しましょう。

一次情報とは、自身の体験や自分の調査によって得たデータです。このような情報は、他の人には書けないコンテンツになり、そのジャンル・領域に詳しい証明になります。

もし自分が発信する情報が「一次情報」ではない場合、自分の言及の確からしさを証明すべく、他者の一次情報を引用することもできるでしょう。他から引用する際は、情報の出処が不確かなサイトや著者から引用するのではなく、公的機関や取り扱うテーマに関する専門家、関連する企業からの情報を用います。

また、他から情報を引用掲載する場合、出典を明示します。(参考:文献を引用する | Encourage YOUR Research!

3. 構造化マークアップを用いてE-A-Tに関する情報を伝える

構造化マークアップを用いて、著者に関するE-A-T情報をGoogleに伝達します。

構造化マークアップは、エンティティ間の関係を確立・強化するのに役立ちます。これにより、Googleによるコンテンツの理解を促進します。(参考:https://www.searchenginejournal.com/google-E-A-T/structured-data/

4. 情報の正確性を担保する

情報の正確性は最も問われる項目であり、全著者が重視すべき点の1つでしょう。

特にYMYLに関する情報ほど、その情報の正確性や正当性を十分に担保する必要があります。Webサイトに掲載する情報は、必ず確証が取れているものに限定しましょう。

5. 専門家に執筆を依頼する、あるいは監修者をつける

Webサイト運営元だけではコンテンツ作成が難しい、もしくは運営元にE-A-Tがない場合、専門家に執筆や監修を依頼しましょう。

専門家に執筆・監修をしてもらう場合、その人物の情報をコンテンツ上で明示することが重要です。

情報には、

  • 人物名
  • 立場や肩書き
  • 経歴

などを記載しましょう。

著書情報をまとめたページを公開したり、公式ホームページへのリンクを置いたりするとより効果的です。

6. 情報を最新の状態にする

ページ内に記載する情報の内容は、常に最新の状態に保ちます。

ユーザーの検索意図は日々変化し、求める情報や回答もその時に応じて変化します。

これら「変化する検索意図」に正しく応じるべく、ページ内に掲載する情報を定期的に見直し、最新の状態を保ちましょう。

記事の新鮮さについては、過去に下記ツイートしています。

ただし、全ての情報やコンテンツがこれに該当するわけではありません。

例えば「脂質 カロリー」のようなキーワードの検索意図は常に同じであり、検索するタイミングで変化しづらい傾向にあります。

検索意図が変化しやすい事柄について執筆している場合は、定期的なコンテンツの見直しを行い、逆に常時意図が変わらない(変わりにくい)事柄に言及している場合は、情報鮮度への重要度はそれほど高く無いとも考えられるでしょう。

7. 良質なサイトから被リンクを獲得する

関連性や権威性があるWebサイトからの被リンクも、GoogleがE-A-Tを測る上で重要な要素のひとつになります。

下記のGoogle資料では、E-A-T判定の為にPageRankを用いていると記載がありました。

こちらは、その資料を私の方で翻訳した文章です。

Googleのアルゴリズムは、どのように専門性、権威性、信頼性を測るのか?
•Googleのアルゴリズムは、信頼性と権威性に関連するページの信号を認識します。
これらの信号で最もよく知られているのはPageRankで、Web上のリンクによって認識されます。

被リンクによって算出されるPageRank値によって、権威性(=E-A-T)を把握していると記載があります。

以上から、リンク元の信頼性は、リンク先の信頼性や権威性を測る要素であり、被リンク獲得はE-A-T認識を促進させる策の1つとも考えられます。

では、関連性があり、なおかつ権威性があるWebサイトから被リンクを獲得するにはどうしたら良いでしょうか?

1つに、リンクアーニング施策が挙げられます。

主な流れは下記の通りです。

  1. 対象としているトピックにて専門性高い情報を発信する
  2. 発信した情報を役立てられる他Webサイトを探す
  3. 情報の提供を行い、リンクを得る

詳しくは、以下の2つのYouTube動画で解説しています。ぜひあわせて参考にしてみてください。

8. YMYLジャンルのコンテンツを混ぜない

現状では、YMYLジャンルと非YMYLのコンテンツを1つのサイト内に混合させないのが得策と考えられています。

この点については、John Mueller氏もオフィスアワーで言及しています。

もしWebサイトがYMYLコンテンツとYMYLでないコンテンツのどちらも掲載していると、E-A-Tを上げることが難しくなる。なぜなら、Googleアルゴリズムにとってランク付けが難しくなるからです。(筆者翻訳)

YMYLを扱う際は、そのWebサイト内でYMYLのトピックを主体としてコンテンツを掲載するのが得策でしょう。

9. 本業の評判を上げる

本業、つまり実際のビジネスの評価を上げることを指します。

E-A-Tとは、つまるところ、現実社会の実績や評判によって得られる「社会的評価」であり、それを「Googleのアルゴリズムで評価する要素」として表現したのが「E-A-T」であると考えます。

以上から、実社会での評判や名声が、E-A-T向上にもつながるのです。

尚、検索品質評価ガイドラインでは、次のように書かれています。(筆者翻訳)

Googleが「評判」を重視していることが読み取れます。

まずは、本業(ビジネスや研究、社会活動)に注力し、実績や評判、名声を獲得できるように努めます。これが結果的に、Web上での評判発生にも繋がり、Googleの評価向上にもつながると考えられます。

E-A-Tと評判については、こちらで詳しく解説しています。ぜひあわせて読んでみてください。

YMYLジャンルで情報発信する際に気をつけるべき点

YMYLは、検索ユーザーの生活や人生に直結するキーワードです。そのため、発信する情報の正確性や正当性に関して責任が求められます。

もし、執筆者自身や所属団体に、発信する情報に関してE-A-T(信頼や権威、専門)がない場合、そのYMYLジャンルを避けることも1つの考え方でしょう。

E-A-Tが担保されていないなかで情報発信に挑んでも、内容の薄い情報しか発信できず、結局は評判を下げることになります。当然、その情報を信じて実行した検索ユーザーに実害を与える可能性も十分あり得ます。

以上からも、特にYMYLジャンルに関して情報を発信する際は、発信に対してE-A-Tが担保されているか自己確認するのが望ましいでしょう。

まとめ

YMYLとはどのようなジャンル・領域を指すのか、YMYLで求められるE-A-Tを高めるにはどうすればよいのかをお伝えしました。

また、37,482のキーワードを対象にした独自調査とGoogle検索品質評価ガイドラインと照らし合わせると、以下のジャンル・領域のYMYLの度合が高いことがわかりました。

  • 時事問題
  • 公共サービス・法律
  • 金融
  • 健康・その安全性
  • 民族、宗教、性別など

しかし一方で、YMYLに該当しやすいジャンルはあるものの、キーワードによってE-A-Tがどれだけ重視されるかは異なります。

もしE-A-Tが重要なキーワードなら、E-A-Tを高める対策が必要です。

E-A-Tを高めるには、次のような策が考えられます。

  1. 著者や運営元を開示する
  2. 一次情報を掲載する
  3. 構造化マークアップを用いてE-A-T情報を伝える
  4. 情報の正確性を担保する
  5. 専門家に執筆を依頼する、あるいは監修者をつける
  6. 情報を最新の状態にする
  7. 専門性や権威があるWebサイトからの被リンクを獲得する
  8. YMYL領域以外のコンテンツを混ぜない
  9. 本業の評判を上げる

YMYLジャンルでコンテンツを作成する際は、まずどの程度E-A-Tが求められるかを確認し、その上で必要な対策を実践しましょう。