今回は、SEOを考慮したWebサイトの設計について解説します。
ポイントは、次の3点です。
- キーワードを徹底的に分析する
- このページ構成図を作る
- 記事を書いて内部リンクを戦略的に設置する
この3点を抑えれば、確実かつ戦略的にサイトをしっかり育てることができるでしょう。
それぞれのポイントについて詳しく説明しますので、SEOアクセス数を増やすサイトを作成したい方は、ぜひ参考にしてください。
尚、このブログ記事はYouTube動画『SEOアクセス数を増やすカテゴリ設計』を書き起こしたものです。動画でもご覧いただけます。
1. キーワードを徹底的に分析する
キーワードを分析するには、まずできる限り多くキーワードたくさん広げて、その中から選別する流れにしましょう。
今回は、例として“クレジットカードおすすめサイト”を立ち上げる際の、キーワード分析とページ設計を紹介します。
①キーワードを広げる
「クレジットカード」をGoogleで実際に検索すると、サジェストが出てきます。このGoogleサジェストを使って、まずはキーワード広げます。
Googleサジェストを一括で抽出できるツールが「ラッコキーワード」です。
キーワード「クレジットカード」と入力すると、次のようにGoogleサジェストが抽出できます。
ここで、キーワード見落とさないために、できる限り多くのキーワードを抽出する必要があります。
先ほど抽出したGoogleサジェストの「クレジットカード」のワードマップを見ると、「おすすめ」や「審査」などがあり、その先にもキーワードがあることがわかります。
「クレジットカード」という1つのキーワードから、広い検索意図を読み取ることができますね。
「クレジットカード おすすめ」でも「クレジットカード 審査」でも、3語のかけあわせが出てきます。このように、2語、3語とどんどんキーワードを広げましょう。
また、再検索キーワードを使うと、関連する他のキーワードも抽出することもできます。
再検査キーワードは、「再検索キーワード分析ツール」で抽出できます。「クレジットカード」を入力すると、次のような検索の流れがわかります。
これを読み解くと、「クレジットカード」で検索する人は、
次に「審査」が気になる→次に「どこまで調べる」「落ちる理由」などが気になる
ということが分かります。
このように、潜在的なキーワードもあらかじめ抽出しておきます。そして、Googleサジェストと再検索キーワード分析ツールで抽出した再検索キーワードを1つのExcelにまとめます。
②キーワードの選別
①では、多くのキーワードを広く抽出することができました。続いて、これらのキーワードを選別していきます。不要なキーワード消していく作業です。
この作業は、1つ1つ目視で進めると非常に時間がかかるので、データを使いながら効率的に作業しましょう。
注目したいのは、検索ボリューム・検索回数の推移です。検索回数が徐々に下がっているキーワードは、今後検索されなくなる可能性が高いと考えられます。
検索ボリュームの推移のデータは、
- 「キーワードプランナー」か
- 「Keywordmap」
で調べることができます。
今回は、Keywordmapを使って説明します。
1.メインキーワードを入れる
2.期間と減少率を指定する
3.この減少率をExcelの変化量と照らし合わせる
すると、もう検索されないであろうキーワード、つまり不要なキーワードを簡単に抽出できます。
このようにキーワードをふるいにかけて、不要なキーワードを弾いていきましょう。
③ライバルサイトの調査
キーワードの精査が終わったら、ライバルサイトの調査を行います。具体的には、各キーワードで検索して、上位サイトを確認していきます。
もし、上位サイトが楽天やアマゾンのような非常に大規模サイトや強豪サイトであれば、そのキーワードの難易度は非常に高いので、参入を考え直すべきでしょう。
この調査において、キーワード数が少ない場合は1つ1つ自分で検索していけば良いでしょう。しかし、キーワードはできるだけ広げた方が良いとお伝えしました。
その結果抽出した膨大な数のキーワードを1つ1つ調べていくのは大変ですよね。ここでほとんど人が諦めてしまいます。
しかし、ぜひここで諦めないで分析しきってください。なぜなら、最初に分析を仕切るか仕切らないかで、その後の結果が大きく変わるためです。はじめに徹底的に分析して、それに基づいて戦略的に構築されているサイトは強く成長していくので、はじめに徹底的に分析することをおすすめします。
とはいえキーワードが多いと調査にも時間がかかるので、その場合はツールを使って効率化しましょう。
ここでは、Keywordmapを使った方法を説明します。
1.Keywordmapの検索市場レポートに抽出したキーワードを入力する
2.検索上位サイトが表示される
この例では、クレジットカードのキーワード2800個を入れました。1位を独占しているサイトをみると、やはり大手サイトが多いですね。
3.各サイトをクリックして、検索順位の比率、最も検索順位を取れているディレクトリ・ページなどを分析する
これらのデータから、
- 自分も取れる戦法を取っているか、全く異なる戦法を取っているか
- 高評価を取っているページは、どのようなコンテンツの書き方か
などを分析しましょう。さらに分析を進めるには、以下の手順を行います。
4.分析検索結果のSERPsをダウンロードする。
5.キーワード難易度分析ツールにcsvを アップロードする
6.抽出したキーワードのSEO難易度やドメイン歴が表示される
ここで、SEO難易度に注目します。
SEO難易度があまりにも高いキーワードは、そのキーワードの上位サイトの多くが大規模・老舗のケースが大半です。そのため、SEO難易度が高すぎるキーワードは対策候補から外すというのもの1つの手です。
もう1つ注目したいのが、EAT度です。これは信頼性や権威性、専門性の度合いを数値化したものです。
なかには、自治体のサイトや政府のサイトが上位を占めているキーワードがあります。このようなキーワードや金融系の専門サイトしか出てこないようなキーワードは、対策候補から外すか、優先順位を下げると良いでしょう。
このように、データを使ってキーワードをふるいにかけながら本当に対策するべきキーワードを見つけていきます。
④キーワードのグルーピング
続いて、キーワードのグルーピングを行います。ここで重要なのは、どういうテーマ=記事を書けばいいか、つまりトピッククラスター分析です。
Keywordmapの右上「トピッククラスター分析」をクリックします。
すると、先ほど分析したキーワードが、クラスターボードにまとめられ、そのクラスターが属するカテゴリごとに表示されます。
このデータを使えば、今SEOでとても重要と言われているトピッククラスターを簡単に構築できます。
記事の作成は、キーワードではなく、クラスター単位で行う必要があります。記事ごとに対策するテーマも、トピッククラスター分析で発見していきましょう。
2. ページ構成図を作る
次に、ページ構成図を作っていきます。最終的に作りたいのは、次のようなページ構成図です。
このページ構成図を徹底的に作っておけば、SEOで避けなければいけないカニバリを防いだり、トピッククラスターをきれいに構築したりできます。
では、ページ構成図の作成手順を説明します。
1.キーワード難易度分析の右「CSVダウンロード」をクリックし、分析したトピッククラスターのデータが csv でダウンロードする
このデータのままではまだ使いません。トピッククラスターは、各カテゴリに紐付く記事がどういう記事であるべきなのか、どういうカテゴリでテーマ構築していくのかをきれいに作り込む必要があるためです。
例えば「クレジットカード おすすめ」というクラスターを見てみましょう。
3語の掛け合わせが多いキーワードです。しかし、ここまでだと、1つのカテゴリしか抽出できていないことになります。「クレジットカード おすすめ」の下には。さらに記事や小さいピラーが存在します。それらを適切に抽出しましょう。
2.先ほどダウンロードしたCSVの「ハブ」「トピッククラスター」に「おすすめ」でフィルターをかける
「クレジットカード おすすめ」に関連するクラスターが抽出されます。これが「クレジットカード おすすめ」の下に紐づくミニピラー、クラスターになります。
このように、ピラー、クラスター、さらにその下に紐づくピラー、クラスターを構築していきます。
これらを1つ1つまとめ直したものが、こちらのページ構成図です。
一番上のメイントピックである「クレジットカード」の下に「おすすめ」があり、その下に各クラスターが存在し、その下にさらに小さいクラスターが存在する設計図ができます。
サイトで構築したいトピッククラスターがきれいな形ができていますね。
各記事をテーマごと(例えば「おすすめ」「審査」「ポイント」など)でまとめて各ピラーに内部リンクを集約することで、テーマを強調します。そしてトップページ対し各ピラーから内部リンクを渡すことによって、サイト全体で「クレジットカード」を強調することができます。
このように内部リング設計を戦略的に構築するためには、最初に徹底的にページ構造を作り込む必要があるのです。
3. 記事作成&内部リンクの設置
最後に、記事を作成して内部リンクを設置していきます。
まず、2.で作ったページ構成図の「自社順位」と「LPのURL」のデータを抽出します。
こちらの例では、17位や26位など、すでに上位を獲得しているページもあります。このように既にページがあり、ある程度順位が高い場合、そのページを改修しましょう。
一方、ほとんど順位が付いてない、またはページが無いキーワードに関しては、新しくページを作りましょう。
このようにどのページを新規作成し、どのページを改修するかを判断するために、「進捗状況」の列に「リライト待ち」「執筆中」などフラグを付けていくと良いでしょう。
記事個別の書き方や修正方法に関しては、こちらのYouTube動画で説明しています。ぜひあわせてご覧ください。
最後に重要なのが、内部リンクの貼り方です。
先ほどご説明したように、きれいなトピッククラスターを作る必要があります。この内部リンクも、先ほど作ったページ構成図を見れば間違えずに戦略的に設置することができるでしょう。
例えば、今回の例「クレジットカード」のページ構成であれば、一番下にある記事はその上に紐づくピラーに、そのピラーは最上位のトップページに紐づくことになります。
このページ構成図を見ながら、どの記事がどのピラーに紐づくかを目で見て確認していきましょう。
例として、「クレジットカード おすすめ 20代」の記事を見てみましょう。ページ構成図を見ると、次のように内部リンクを設置すると良いことがわかります。
内部リンク設置の一般的な方法は、パンくずリストを使って内部リンクの評価値を集約させる方法です。「クレジットカード おすすめ 20代」の場合、このようになります。
すると、きれいにテーマ性が強調される構成になります。
まとめ
今回は、SEOアクセス数UPを狙うためのサイト構成の作り方を紹介しました。
最初のページ構成図をしっかり設計することによって、
- どのページに対して内部リンクを向ければいいのか
- どのようなテーマをどのページから強調すればいいのか
などを戦略的に構成できて、効果的に内部リンクも貼れるようになります。
戦略的に難易度が高いピラーで対策したキーワードも、下のページからの評価で順位上昇を図ることができるでしょう。
ページ構成図を作るのは大変ですが、SEOアクセスを望めるサイトを作成するために、しっかり作りこんでいきましょう。