SEO対策候補のキーワードを検索した際、上位のライバルサイトを見て「なぜこのサイトがSEOで1位なんだ?」と思ったことはありませんか?
そこで今回は実際のデータを見ながら、上位を獲得しているサイトのSEO戦術・施策を徹底分析しました。
サイトごとのSEO戦術の違いが見え、サイト運営に参考になる情報が複数ありましたので、「運営サイトがなかなか上位に上がらない」「どのようなSEO戦術を用いれば良いかわからない」といった方の参考になれば幸いです。
Webから入手できる情報をもとに、独自の見解や予想も含み解説しています。あくまでいち見解として見ていただきますようお願いいたします。
本記事は、YouTube『なぜライバルサイトは1位?その理由を分析してみた』を書き起こしたものです。
KW「レンタルサーバー」で898個のKWを調査
今回は「レンタルサーバー」というビックキーワードで調査していきます。
「レンタルサーバー」に関するキーワードで検索ボリュームが10以上あるものを、898個抽出しました。この898個のキーワードの検索結果を取得し、上位検索順位にランクインしているWebサイトとその戦術の違いを分析していきます。
まずKeywordmapの検索市場レポートからデータを抽出し、各キーワードで上位順位を獲得しているWebサイトを調べました。
今回は特に、「レンタルサーバー」というビッグワードで常に上位にあるサイトを調べていきます。
下記は「レンタルサーバー」の検索結果です:
さまざまなサイトが並んでいますが、今回は上位4サイトに注目していきます。
関連キーワードのヒット数・LP数の違い
これらのサイトのキーワード別の順位を見てみましょう。「レンタルサーバー」を含む、関連キーワードでの順位がこちらです。
どのサイトもさまざまなキーワードで上位が取れています。緑色は強くなればなるほど上位が獲れていることを示しますが、緑が多いことがわかりますね。
よりズームアウトすると、次のようにかなり緑の部分が目立ちます。
実際に各順位の範囲別にキーワード数を集計すると、このようになりました。
「レンタルサーバー」というビッグワードで常に上位にある4サイトは他の関連キーワードでも上位を獲っており、そこまでヒットキーワード数に大きな差がないことがわかります。ある特定のWebサイトだけが全キーワード上位を独占しているのではないのです。
さらに分析を進めるなかで気になったのが、各Webサイトのランディングページ数の違いです。実際に今回898個の「レンタルサーバー」に関するキーワードで10位以内にヒットしているランディングページの数を集計した結果がこちらです。
他のサイトはおよそ30~50ページほどヒットしているなか、mybestは4ページと少なくなっています。
さくらインターネットとロリポップのSEO戦術
実際にヒットしているページを見るために、各Webサイトのランディングページとヒットキーワード数、被リンクドメイン数も調べたところ、獲得している被リンクドメイン数が大きく異なることに気づきました。
各サイトのランディングページの被リンクドメイン数の合計がこちらです。
さくらインターネットとロリポップはドメイン数が多いですが、mybestと100社サーバー比較のドメイン数は多くありません。
先ほど見た通り、関連キーワードの10位以内のヒットキーワード数にそこまで大きく差はありませんが、なぜか被リンク数に大きな差があることがわかります。
次に、ページ別の被リンク数を調べました。
ロリポップとさくらインターネットは被リンクの多くをトップページで獲得しています。その数は約1万と、約3千と、トップページだけで数千もの被リンクを獲得しています。他のページと比較しても桁違いで多いことが分かります。
このロリポップとさくらインターネットが獲得している被リンクのアンカーテキストを調べると、「レンタルサーバー」や「サーバー」といったキーワードが含まれています。
長年サイトを運営しており、非常に知名度が高いサービスのため、 被リンクも多く、アンカーテキストにはサーバーやレンタルサーバーという代名詞も入っています。
このロリポップとさくらインターネットに関しては、運用歴も長く、非常に知名度あるサイトなので、運用歴と知名度によって獲得してきた被リンクによる上位獲得と上位維持だと考えられます。
mybestのSEO戦術
続いて、当時2位のmybestを見ていきます。
mybestは皆さんもご存知の通り、生活雑貨やパソコン、キッチン用品や食品など非常に幅広いテーマを取り扱うコンテンツメディアです。上位も獲れており、 SEO界隈でも有名なサイトです。
今回「レンタルサーバー」に関して上位を獲っているページを調べたところ、特にこちらの2ページで多くヒットしていました。
先ほど、ご覧いただいたヒットキーワード数は、他のサイトと同じくらいのキーワードで上位が取れてます。
そしてそのほとんどがこの1ページで取れています。
この「レンタルサーバーおすすめランキング20選」のページが獲得しているキーワードはこちらです。
本当にさまざまなキーワードを先ほどのページで獲得していることがわかります。
この1ページでこれほど多くのキーワードを獲得できている理由を調べると、非常にページが長いことが気になりました。
このページの文字数をカウントすると、約3万300文字あります。文字数のみでそのページの品質やコンテンツの情報量を表すのはナンセンスかもしれませんが、非常に多い情報量があると見ても良いでしょう。
実際にこのページが取り扱っているテーマを見ると、選び方に関してさまざまな切り口で網羅されており、かつ日本国内にある20ものレンタルサーバーのサービスを徹底比較しています。おそらく著者の方が実際に検証して企画をされているのでしょう。
このページ本当にユーザーが知りたいこと=検索意図に応えており、この1つのページを見ればレンタルサーバーの比較はわかるように網羅されているようになっているのです。
だからこそ1ページで膨大なキーワードを獲得することに成功していると考えられます。
100社レンタルサーバー比較のSEO戦術
続いて、100社サーバー比較を見てみましょう。
このサイトは、ページ単体のSEO戦術で上位を獲っているようです。こちらのサイトのヒットキーワード数は、他の3サイトより非常に多いです。
さらに気になるのが、このサイトは子ページで獲得するキーワードが非常に多いことです。
実際にそのデータがこちらになります。こちらは100社サーバー比較のページ別のヒットキーワード数や想定SEO流入数を出したものです。
総流入数に注目すると、トップページはもちろん、他のページでもかなりのSEO流入が取れていることが分かります。
マイクラ向けのレンタルサーバーや、VPSの比較、ゲーム向けのレンタルサーバー、ロリポップのレビューなど、レンタルサーバー関する情報をサイト単位全体で網羅しています。これはまさにトピッククラスターをしっかりと構築していることになります。
また、100社サーバー比較はページ単体の品質も非常に高く専門性もあるので、被リンクも獲得できています。サイト全体がレンタルサーバーの特化型サイトになっていると言えるでしょう。
レンタルサーバーに関連するキーワードを検索した時には、ほとんどのキーワードでこの100社サーバー比較が常に上がってくるという状況ができてます。
まとめ
今回は「レンタルサーバー」というビックキーワードで上位を取れているサイト4つを分析しました。その結果から想定できる、各サイトの上位獲得・上位維持の理由をまとめると、次のようになるでしょう。
1位 | さくらインターネット | サイト運用歴やサービス知名度による被リンクの評価(E-A-Tも) |
2位 | mybest | ページ単体の情報の網羅性、品質の高さ、独自性があってのコンテンツ力 |
3位 | ロリポップ | サイト運用歴やサービス知名度による被リンクの評価(E-A-Tも) |
4位 | 100社レンタルサーバー比較 | レンタルサーバーに関する特化専門サイトで、そのトップページが上位に |
このように4サイトはSEO戦術・施策が異なって上位が獲得できていると考えられます。
しかし、「このサイトはこの理由で上位にある」と断言はできません。検索順位のアルゴリズムはGoogleのみぞが知ることだからです。それでも上位サイトを分析して、上位獲得の理由の仮設を立てて、最も確からしい施策を選択しながら検索順位上昇を図るのは重要です。
断言はできなくとも、あくまでも予想や1つの情報として参考にしていきましょう。