【SEO】カニバリゼーションを見つけて、改善する方法

SEOでよく話題になるカニバリ。皆さんは改善できていますか?カニバリ、いわゆる「コンテンツやテーマの重複」を放置しておくとWebサイトのポテンシャルを活かせない機会損失にもつながります。

そこで今回は、カニバリを発見して、修正する方法を紹介します。コンテンツやキーワードのテーマ重複(カニバリ)にお悩みの方はもちろん、サイトのメンテナンスにつながる話になりますので、サイト運営者はぜひ参考にしてください。

本記事は、YouTube『【SEO】カニバリを見つけて、改善する方法』を書き起こしたものです。

SEOにおける「カニバリゼーション」とは?

SEOにおけるカニバリとは、似たようなページ・記事がお互いに食い合っている状況を指します。

例えば「おすすめ スマホケース」という記事と「スマホケース ベストバイ」という記事。これら2つの記事のメインテーマには非常に似ています。

このようにメインテーマが似ている記事が1つのサイト内に複数存在する場合、メインのキーワードで検索した際に、ある日はある記事が上位にきて、別の日には別の記事が上位にくるようになります。これがカニバリ、つまり記事同士での共食い状態になってしまうのです。

実際に両キーワードでGoogle検索すると、1位~10位のURLがほぼ同じになります。(※検索順位は異なるものの、検索結果1ページ目の表示ページが極めて近い)

同じサイト内で異なる記事が競合しあい、互いの順位を取り合っている状態は機会損失につながってしまいます。

そのため、一定数のページ・記事があるサイトでは、Googleアナリティクスやサーチコンソールのデータを使って、カニバリあっている記事を発見し、改善していくのが望ましいでしょう。

では、どのようにカニバリを改善していくのでしょうか。まずはカニバリしあっているコンテンツの探し方から説明します。

カニバリ箇所の探し方

ここではサーチコンソールのデータを使ったカニバリの探し方を紹介します。今回は、弊社のWebサイト『Keywordmap ACADEMY』を例に説明します。

カニバリの探し方①サーチコンソールでデータ取得

Googleサーチコンソールを開いて、検索パフォーマンスの検索結果をクリックすると、そのサイトが獲得している検索クエリが表示されます。

Keywordmap ACADEMYの検索パフォーマンスのデータを見ると、「Keywordmap」というサイト名そのもののクエリが表示されたので、クリックします。

次に、「ページ」をクリックします。

すると、「Keywordmap」というクエリでヒットしているページが並んで表示されます。

ページが複数表示されているので、「Keywordmap」という1つのキーワードで複数のページがヒットしてしまっている状態だとわかります。

今回のように、サイト名やブランド名で複数のページがヒットすることはよくあります。

しかし、サイト名・ブランド名以外の一般名称や他のキーワードで複数ヒットしている場合は、同一トピックで複数のページが競い合っている状態にあり、改善が必要です。

カニバリの探し方②Excelでリストを作る

では、カニバリあっているページを発見するために、Excelを使って解析データを作っていきましょう。

作成した表は下記のようになります↓

この表の作り方を説明します。

1.検索パフォーマンスデータの「ページ」をクリック

2.各URLを1つずつクリックし、「クエリ」をクリック

3. 「エクスポート」をクリック

4.ランディングページごとに次のようなデータがダウンロードされるので、「クエリ.csv」をコピーして、Excelにペーストしていく

この作業をページごとに繰り返していきます。

なお、ページ数が多いサイトの場合、この一連の作業を繰り返す必要があります。プログラミングできる方であれば、サーチコンソールのAPIを使って一括で行うことをおすすめします。

では、Excelの準備ができたところで、次にこの検索クエリをソートして、同じキーワードごとに並べていきます。

今回のデータを見ると、同じキーワードで異なるランディングページが2つヒットしている事がわかります。

実際に「twitter インプレッション」のランディングページを見ると、一方はtwitter のインプレッション数を増やす方法に関する記事で、もう一方はTwitterのエンゲージメントを説明する記事になっています。

この2つの記事は、メインテーマは異なるのに、なぜか同じキーワードでヒットしてしまっています。

ここで、現在のこれらのページの評価を調べるために、「twitter インプレッション」のキーワードで実際にGoogle検索をしてみました。

Twitterのエンゲージメントを説明する記事が上位にあります。

本来はTwitterのインプレッションを説明するページにユーザーをランディングさせるのが望ましいですが、現在Googleが評価しているのは、 Twitterのエンゲージメントを説明するページということです。

他の競合サイトは、「インプレッション数を確認して…」や「Twitter のインプレッションとは?」といった専門のページが上がってきています。しかし、弊社のサイトのページはTwitterのエンゲージメントを説明する、テーマがずれた記事が上位にきています。

この状態が続くと、おそらく検索ユーザーは満足しないでしょう。「Twitter インプレッション」で検索して、ランディングしたのがTwitterのエンゲージメントを説明するページでは、検索意図に応えているとは言えません。おそらく読了率も低く、直帰率も高まってしまうでしょう。

では、このコンテンツテーマのカニバリを改善していきましょう。

カニバリの改善方法

カニバリが見つかったところで、次は改善していきます。カニバリの改善方法は、主に次の3つがあります。

  1. 類似ページの統合
  2. 各ページの主要テーマの強調
  3. ページコンテンツの改善

①類似ページ群の統合

メインテーマが似ているページが複数ある場合、それらを1つのページにまとめる=統合することができます。

例えば、これら2つのページのアクセスを比較して、「スマホケース ベストバイ」のアクセス数の方が多いことがわかったとします。

その場合、「おすすめ スマホケース」のページからコンテンツを移し、「おすすめ スマホケース」のページURLを301ダイレクトして統合する事もひとつの策でしょう。

しかし、コンテンツの統合ができるのは、テーマが一致して同じキーワードで食い合っている場合です。今回の例Keywordmap ACADEMYの場合、テーマが異なるので統合は難しいでしょう。

②テーマ性の強調

同じキーワードを取り合っている(カニバリしあっている)ページが複数存在し、それらページのテーマが違う場合、それぞれのメインのテーマを強調してテーマの混在を分離しましょう。

今回「twitter インプレッション」の検索結果は、競合サイトはインプレッションに関する専門ページが上位にありましたが、我々のページはエンゲージメントに関するページが上がっており、キーワードとページがずれてしまってる状況でした。

この場合、Twitterのインプレッションの専用ページのテーマ性を強調して、正しいページをヒットさせるのが望ましいでしょう。

具体的には、今現在ヒットしている、ずれてるランディングページ(今回の場合、Twitterのエンゲージメントを説明するページ)から内部リンクをTwitter のインプレッションの専用ページに向けて設置しましょう。

すると、「Twitter インプレッション」と検索した場合、こちらの正しいページがヒットするようになります。

例えばエンゲージメントを説明しているページ(テーマがずれてしまってるページ)のコンテンツに、インプレッションを説明する項目があります。ここからインプレッションを説明する専用ページに内部リンクを設置します。

すると、Googleがテーマ性を理解できるようになり、「Twitterのインプレッションに関する説明はここだ」とGoogleに正しく伝えることができます。

また、タイトル文をメインテーマを強調するように変更することも有効です。ただ今回の場合は、タイトル文でテーマは正しく強調されているので、タイトルの変更は不要でしょう。

③コンテンツの改善

カニバリというよりページそのものが移ってしまった場合には、コンテンツの改善が有効です。

今回の例、「twitter インプレッション」でカニバリあっている2つのページのアクセス数を見てみましょう。

元々「twitter インプレッション」でヒットしていたランディングページのカニバリ時のアクセスを見ると、ある時点からエンゲージメントを説明するページにアクセスが移っています。

それにより、「Twitter インプレッション」で検索した時に本来上位を狙いたいページが上がらなくなってきているのです。

その原因としては、本来上げたいTwitterのインプレッションを説明するページのコンテンツの内容が、今ユーザーが知りたいこととズレている可能性があります。

このような状況にある場合、Keywordmapのワードマップや過去にそのページがヒットしていた検索クエリなどのデータを用いながら、改めてコンテンツを改善していくのが望ましいでしょう。

時間の経過にともなって変化する検索意図に応えるべく、ページ内のコンテンツを最新化し、さらに内部リンクを向けることで本来獲得するべきキーワード(今回の場合「twitter インプレッション」やインプレッションに関連するキーワード)で検索上位を取り戻し、アクセス数を戻すことが期待できると考えられます。

まとめ

カニバリを改善する方法を3つご紹介しましたが、カニバリの発見方法や対策は他にもあります。今回はページの削除、Canonicalインデックスを使った方法などは説明しておりません。

しかし今回一番お伝えしたいのは、ページを作って放置するのではなくメンテナンスが重要であるということです。

サイトの規模が大きくなるにあたって、同じような記事が無意識にサイト内に混在してしまうのはよくあることです。サーチコンソールなどのデータを使いながら、定期的にカニバリを探し、発見した場合はしっかり改善してメンテナンスを行っていきましょう。