ヘルプフルコンテンツアップデートの影響分析<2023年9月>

Googleが9月15日、新しいアルゴリズムアップデート「ヘルプフルコンテンツアップデート」をグローバルに展開しました。私の立場から、このアップデートが検索結果にどのような影響を及ぼしたのか私なりの見解を交えて解析しました。

9月15日にヘルプフルコンテンツアップデートのロールアウトを伝えるツイート

本記事では、順位が大きく変動した代表的なサイトの特徴と、アップデートの傾向について分析した結果を報告します。

地図情報サイトが大幅に順位下落

今回のアップデートで最も大きなダメージを受けたと想定されるWebサイトに、とある地図情報サイトが挙げられます。

このサイトはこれまで順調にアクセスを伸ばしていましたが、一気に全体のおよそ半分まで落ち込んでしまいました。

サイトのコンテンツを確認すると、地区名や市区町村名の一覧といった単なる地名の列挙がほとんどで、有益性は極めて低いことが分かります。

しかしながら、このサイトは過去のコアアルゴリズムアップデートでも数度にわたって順位が上昇していた実績がありましたが、今回のヘルプフルコンテンツアップデートで下落した模様です。

ゲームコンテンツサイトも大幅な順位低下

もう一つ大きなダメージを受けたと想定されるのが、とある英語圏のゲームコンテンツサイトです。

このサイトのアクセス数グラフを見ると、過去1年半の間に右肩上がりで5倍以上に急拡大していたことが分かります。

しかし今回のアップデートによって、ピーク時の3分の1以下まで激減してしまいました。仮に私がこのサイトのSEO担当者であれば、相当ショックを受ける結果だと思います。

実際にサイトのコンテンツを確認してみると、「〇〇のおすすめシーン10選」「△△の初心者におすすめのプレイ方法」など、単なるゲームの紹介記事が羅列されているだけでした。

獲得キーワードを見ても「ベスト」「おすすめ」といった単語が並んでおり、いかにおすすめ系キーワードで流入を獲得していた事が分かります。

このように有益性の乏しいコンテンツを量産することで、一時的にはアクセスを伸ばすことができても、Googleの質的判断を逃れることはできないという教訓が今回のアップデートから得られました。

飲食検索データベースサイトも大幅下落

同じく、とある飲食店のメニュー検索DB型サイトについても、同様の動きを確認しました。

このサイトは過去1年ほど横ばいの状態が続いていましたが、今回のヘルプフルコンテンツアップデートの適用後に激減しました。

サイト内の個々のページを確認すると、ほとんどが飲食店のメニュー表そのものを掲載した、いわばデータベース型のページで占められていることが分かりました。

ユーザーがメニューを知りたいのであれば、店舗自体のWebサイトを訪れるはずであり、単なるメニューのデータベースは検索意図を満たしていないとGoogleに判断されたのでしょう。

情報量に限りがあり、その有益性が薄いコンテンツを作成し、検索エンジンに最適化するという手法は、品質重視のヘルプフルコンテンツアップデートに対して通用しないことを今回あらためて実証された形です。

ガジェット系キーワードでも同様の傾向

日本国内のガジェットや家電などの購入検討型キーワードでも、同様の動きが確認できます。

この種の商業目的の検索クエリでは、ユーザーはスペックや機能、価格や評価など、商品選択に役立つ具体的な情報を求めています。

とあるコンテンツサイトは順位を9月19日ごろに大きく落としている事が分かります。

この順位を落としたサイトのコンテンツは、単なる商品紹介に留まっており、掘り下げた情報がほとんど提供されていないことが分かりました。

一方、現在も上位に留まっているサイトを見ると、各商品の特徴を比較した上で詳細な解説を行うなど、購入検討に真に役立つ内容となっています。

今回のアップデートにおいて、単なる情報伝達ではなく、掘り下げた付加価値提供が求められていることが浮き彫りになりました。

順位を上げたサイトの動向

逆に今回のアップデートで順位を上げたサイトはあるのでしょうか。さまざまなデータを分析したものの、顕著な順位上昇サイトは存在しないことが判明しました。

むしろGoogleの発表を受け、「隠れた宝石」が見つかるのではないかと期待していた方も多かったのではないでしょうか。しかし結果的には、圧倒的に順位を下げたサイトの割合が大きく、上昇サイトは極めて少数派であることが明らかになりました。

おそらく、今回のアップデートは有益性の低いサイトの「除外」が主眼であり、高品質サイトの発掘というよりも、粗悪品の排除に重点が置かれたのだと考えられます。

ですので、大幅に順位を上げるサイトがほとんどなかったのは、ある意味当然の結果だったのかもしれません。Googleは「隠れた宝石」を掘り起こすより、まず最低限の品質基準をクリアできないサイトの排除に注力した、という見方もできそうです。

サイトの質的向上が鍵を握る

以上を総合すると、今回のアルゴリズムアップデートは、サイトの質や有益性といった根本的な部分を判断する方向に舵が切られたことが伺えます。

単にトラフィックやランキングを意識したSEO対策ではなく、読者に真に価値を提供するためのコンテンツ作りに注力することが、成長の鍵を握る時代に突入したと言えそうです。

※この文章は、YouTube動画をAIで書き起こし、要約したものです。