記事のリライトとは?目的やメリット・デメリット、成果を出すコツなどを解説

記事のリライトとは?目的やメリット・デメリット、成果を出すコツなどを解説

記事のリライトは、SEO効果・集客数の増加・CVRの改善などが期待できる、コンテンツマーケティングの作業です。

ただし、やり方を間違ってしまうと検索順位が下落する「諸刃の剣」ともいわれています。

そこで本記事では、なぜリライトは新規記事を追加するよりコスパやタイパが高いのか、ブログ記事の正しいリライト方法などを解説します。

記事のリライトとは?

リライト(rewrite)とは、すでに公開されている記事を「読者にとってより役に立つ内容」にブラッシュアップする作業です。

以下の作業を「読者目線」で行うことで、現状よりもユーザーニーズが満たせる記事に改善できます。

タイトル記事の趣旨が、端的に伝わるタイトルに修正する
見出し・不要な見出しを削除する
・必要な見出しを追加する
・関連性の高いキーワードを追加する
※記事の構成を見直す
本文・古くなった情報を、最新の情報に差し替える
・不足している情報を追記する
・分かりやすい言い回しに書き直す
・解説用のイラストや画像を追加する

なお、構成の見直しや追加すべきキーワードの洗い出しを行う際は、以下の記事を参考にしてください。

記事をリライトする目的

記事をリライトする目的は、あくまで読者にとってより良い情報を提供し、ユーザー満足度を向上させるためです。

ただ、コンテンツを最新化することで結果的に順位復活も見込め、流入数の増加につながります。

記事をリライトするメリット

記事をリライトする主なメリットとして、以下の4つが挙げられます。

  • 成果が現れるのが早い
  • コスパが高い
  • 成果の予測・比較がしやすい
  • サイト全体の評価が上がる

ここからは、上記4つのメリットについて個別に解説していきます。

成果が現れるのが早い

1つ目のメリットは、「新しい記事を書く」よりも「既存の記事を改善する」方が、成果が出るまでの時間を短縮できるという点です。

まずは、新規コンテンツで成果が出るまでのプロセスをおさらいしてみましょう。

  1. 検査エンジンにクロールを促す
  2. インデックス登録される
  3. 記事が評価され、検索順位が決まる

新規コンテンツの場合は、上記3つのプロセスを経て結果が現れるまで、1か月半~3か月ほどかかってしまいます。

一方、リライトの場合はすでに記事がインデックスされている状態です。

リライトはスタート地点が2番から始まる分、新記事よりも成果が出るまでの時間が短くて済みます。

工数に対する費用対効果が高い傾向にある

コスパが高いのも、記事をリライトすることで得られる代表的なメリットです。

とくに、サイト運営歴が1年を超えており、リリース済みの記事数が50件以上の場合は、新規記事を追加するよりパフォーマンスが落ちている記事をリライトした方が、少ない費用で高い成果が得られるでしょう。

そもそも、Webサイトへのアクセス数を増やすには以下の2通り、もしくは両方の合わせ技を含めた3通りの方法があります。

「1記事の平均流入」を増やすブラッシュアップの費用のみで、1記事あたりの「資産価値」が上がる
「記事数」を増やす大量の新規記事が必要なため、自社スタッフの人工数やライターへの依頼費が膨大になる

たしかに新規記事を大量に追加することでも、Webサイト全体のアクセス数を増やすことは可能です。

しかし、最初から資産価値の高い記事だけを大量に書くには、高額な費用負担が避けられないうえ、時間が経てば別途ブラッシュアップも行わなければなりません。

その点リライトであれば、最小限の費用で各記事の「資産価値」が短期間であがるため、コストパフォーマンスが高いのです。

なお、リライトのタイパやコスパの高さについては以下の動画で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

成果の予測・比較がしやすい

流入数やコンバージョン数などを予測・比較しやすいのも、リライトならではのメリットです。

これまでのデータが把握できている分、リライト前から何%アップするのか、ある程度予測できます。

一方、新規記事をリリースする場合は「ゼロ」からのスタートになるため、流入数やコンバージョン数などの見込みはまったくの未知数です。

サイト全体の評価が上がる

リライトによってユーザー満足度の高い記事が増えれば、Webサイト全体のSEO評価もあがります。

なぜなら、GoogleがWebサイト全体のランキング要素として重視しているのは、コンテンツの「数」ではなく、ユーザーにとっての「質」だからです。

ユーザーニーズを満たしていない、つまり長期間リライトせずに放置している記事が多ければ、GoogleによるWebサイト全体の評価はいつまで経っても低迷するでしょう。

リライトするべき記事の選び方

結論から言うと、リライト対象として選ぶべきなのは「伸び悩んでいる記事」や「失速している記事」です。

サーチコンソールの検索パフォーマンスによる比較機能を利用し、クリック数が減っているページなどを抽出しましょう。

また、Googleアナリティクスを使ってオーガニック検索数が思わしくない記事をピックアップする方法も効果的です。

ただし、リライトする記事の選定には「優先順位」があります。検索順位が「圏外」の記事ではなく、少し手を加えれば上位表示が狙えそうな記事から優先してリライトするのがセオリーです。

この点を踏まえたうえで、選定基準1~4のすべてを満たしている記事からリライトしましょう。

選定基準1:少し手を加えれば上位表示が狙えそうな記事

  • あと一歩で1位を獲得できそうな記事
  • 1位だったのに、他サイトと入れ替わって2位になった記事
  • 元々ベスト3に入っていたが、順位が下降傾向にある記事
  • このままでは10位から脱落しそうな記事

選定基準2:公開してから3か月以上経過している記事

選定基準3:キーワードの月間検索ボリュームが多い記事

選定基準4:CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)が高い記事

なお、以下の記事ではコンテンツごとのアクセス数を管理する裏技についてご紹介しております。

一目でリライト対象が発見できるので、ぜひ参考にしてください。

ブログ記事をリライトする流れ

ブログ記事をリライトする手順は、以下の4ステップです。

  1. リライトするページを選ぶ
  2. 不足しているテーマを追加する
  3. 「古い情報の更新」と「誤情報の修正」
  4. リライトの効果測定

では早速、上記の4ステップについて順番に見ていきましょう。

リライトするページを選ぶ

まずは前述した選定基準に則って、リライトするページを選びましょう。

不足しているテーマワードを追加する

ステップ2は、不足しているテーマを追加する作業です。

ユーザーの疑問に幅広く答えられるよう、不足している共起語を「見出し」と「本文」に追加しましょう。

ただし、共起語としてヒットしたからといって、記事のメインテーマと関連性の低いキーワードを無理に追加するのはSEO的に逆効果です。

もちろん、ページ全体の構成を不自然に崩してまで、不要な共起語を使った見出しを設ける必要もありません。

あくまで記事の趣旨との関連性が明らかで、ユーザーニーズが見込める共起語だけを追加しましょう。

ちなみに、以下でご紹介している「Keywordmap」なら、追加すべき共起語を簡単に洗い出せるうえ、上位記事との比較もできるのでおすすめです。

共起語

出典:Keywordmap

共起語の具体的な活用術については、以下の記事を参考にしてください。

「古い情報の更新」と「誤情報の修正」

ステップ3は、「古い情報の更新」と「誤情報の修正」です。

Googleはユーザーが常に新鮮な情報を入手できるよう、フレッシュネスアルゴリズムやQDFアルゴリズム(Query Deserves Freshness)を導入しています。

つまり、より新鮮かつ正しい情報を掲載しているページは、ユーザー満足度に加えてSEOも高く評価される傾向にあるのです。

リライトの効果測定

最後のステップは、リライトの成果を確認・検証する作業です。

とはいえ、一般的な無料の検索順位モニタリングツールは、当日のランキングとざっくりとした順位変動しか調査できない、もしくはリライト前後が比較しにくいタイプがほとんどかと思います。

そこでおすすめしたいのが、特定のKWを指定してリライト前後の順位変動をページごとに比較できる「RankReboot」です。

RankReboot

出典:RankReboot

上の画像で分かる通り、リライト後に検索順位が上がっているのか、それとも下がっているのかが一目で分かる仕様になっています。

さらにアクセス数の計測や競合サイトの過去の順位が調べられるのも、RankRebootならではの強みでしょう。

ちなみに、RankRebootは今のところ一般公開していないクローズドβ版となっていますが(2023年12月時点)、Keywordmapの既存ユーザーであれば一部のお客様に限り提供が可能です。

提供可能なユーザーには「ID」と「パスワード」が付与されますので、担当に問い合わせてみましょう。

具体的な使い方については以下の動画で詳しく解説していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

リライトで成果を出すコツ

この章では、リライトによってSEO評価を向上させるコツとして、以下5つの手法をご紹介します。

  • 競合ページを分析する
  • 新たな検索意図のトピックを追加する
  • PAAのトピックを盛り込む
  • 内部リンクを追加する

ここからは、上記の5項目について個別に解説していきます。

競合ページを分析する

リライト前に必ず行っておくべきなのが、競合ページの分析です。

SEOにおいて焦点をあてるべき相手は読者であり、競合ではないものの、事実競合ページと順位を競っている為、これら競合サイトがどのような切り口やテーマを取り扱っているか調査するのが望ましいでしょう。

  • どのようなタイトルを付けているのか?
  • 見出しのタイトルや構成はどうなっているのか?
  • 解説用の画像は何枚あるのか?
  • 内部リンクはいくつ設定されているのか?
  • 競合ページにあって自社にない情報はないか?

新たな検索意図のトピックを追加する

記事を執筆した時点ではまだ出現していなかった検索ニーズが

したがって、タイトルだけでなく見出しにも対策キーワードやサブキーワード、共起語などを盛り込んだ方が、SEOにとってよい効果を発揮します。

PAAのトピックを盛り込む

PAA(People Also Ask)とは、検索結果にアコーディオン形式で表示される「他の人が行った質問」のことです。

PAAにはユーザーニーズが特に高いトピックが表示される仕組みになっているため、リライト時には積極的に盛り込むべきでしょう。

内部リンクを追加する

リライト対象のページを初めて公開した当時には存在していなかった、あるいは関連性が深まったという記事があれば、内部リンクで繋ぎましょう。

内部リンクはユーザビリティの基本であると同時に、検索エンジンがサイト内を正しく巡回できるようにサポートする役目も担っているのです。

リライトで成果を出すコツ:読了率・CVR編

続いて、リライトによって読了率やCVR(コンバージョン率)を向上させるコツとして、以下2つの手法をご紹介します。

  • 読みやすい文章に書き換える
  • 読了率やCTAのクリック率などを改善する

では早速、順番に見ていきましょう。

読みやすい文章に書き換える

一口に「読みやすい文章」といっても、読解力はユーザーによって差があります。
そこでおすすめしたいのが、以下のチェック項目です。

  • 誰が読んでも、素早く理解できる言い回しになっているか?
  • たやすく記憶に定着するか?
  • 脈略のない文章の流れになっていないか?
  • 意味不明な自作用語を使っていないか?

上記の4項目を満たすことで、すべての人にとって比較的読みやすい文章に仕上がります。

読了率やCTAのクリック率などを改善する

リライトによって滞在時間を長くしたり直帰率を低下させたりするには、読了率やCTAボタンのクリック率を改善する手法が効果的です。

たとえば、ページの前半で離脱するユーザーが多ければ記事の方向性や構成案を、中盤で離脱するユーザーが多い場合は冒頭から中盤までを、ブラッシュアップしなければなりません。

一方CTAボタンのクリック率が悪ければ、デザイン自体を変更したり別の箇所に配置し直したり、といった修正が必要です。

まずは、Microsoftが提供している「Clarity」など、無料のヒートマップツールを使って問題箇所を洗い出しましょう。

リライトの注意点

記事をリライトする際の注意点として、以下2つの項目が挙げられます。

  • コンテンツを削除するのも1つの戦略
  • 1位ページのリライトは控える

ここからは、上記2つの注意点について個別に解説していきます。

コンテンツを削除するのも1つの戦略

内容がユーザーの検索意図から外れている記事は、Webサイト全体の評価を下落させるマイナス要因です。

テーマ自体に需要がない、あるいはテーマと内容に大きな誤差がある記事は、リライトよりも削除を検討すべきでしょう。

1位ページのリライトは控える

結論から言うと、たとえ半年以上にわたって更新していないからといって、ランキング1位の記事を無理にリライトする必要はありません。

そもそもリライトしたからといって、必ずしも検索順位が上がる、あるいは1位をキープできるという保証はないのです。

反対に、リライトによって検索順位が下がるケースもあるため、少なくとも1位を維持している間は更新を見送るべきでしょう。

ただし、検索順位が2位の記事であれば、1位の優位性をリライトによって自ページに反映させることで、逆転を狙う価値は十分にあります。

まとめ

リライトは、ブログ記事の資産価値を短期間で上げることができる有効な手段です。

しかも、ユーザー満足度が高い新規記事を大量に追加するよりも、はるかに費用負担が少なくて済みます。

タイパとコスパの高さを重視するなら、新しい記事を書くよりも既存の記事を改善するリライトを検討してみてはいかがでしょうか。