【SEO】被リンクの獲得施策「リンクアーニング手法」とは

コンテンツを作って公開されている方は、SEO(検索エンジン最適化)のためにも被リンクを獲得したいとお考えではないでしょうか。 

今回は、SEOの被リンク獲得施策についてお伝えするので、ぜひ参考にしていただければと思います。 

方法論を具体的にお伝えするので、少し長くなりますが、最後までご覧いただければ、今日から実践できる内容を習得していただけるかと思います。

被リンク獲得施策「リンクアーニング」

今回お話するリンク獲得施策は営業活動そのもので、リングアーニングと呼ばれる施策になります。

リンクアーニングとは、どういったものなのでしょうか。

まず、コンテンツを作って公開します。そして、他のWebページの作者・ライターさんに「こういった記事を書きました」とご連絡をして、提案します。その記事に対して興味関心を示していただければ、「これはすごくいい記事ですね。リンクさせていただきます」となり、被リンクを獲得できます。

これがリンクアーニングの流れです。プロセスは、次の3つになります。

  1. コンテンツを作りこむ
  2. 提案先リストの作成
  3. 提案

それぞれ順に説明していきます。

1. コンテンツを作りこむ

1つ目のフローは、コンテンツの作り込みです。

コンテンツは提案の商品です。商品となるコンテンツの内容がスカスカだったり、わかりづらかったり、独自性がなかったりすると、提案しても相手に刺さりません。「なんだこれ?」と思われ、無視されてしまいます。

そのため、コンテンツの作り込みは基本中の基本です。コンテンツを読んでいただく読者の方にとって有益な情報であることは大前提です。

さらに、提案する先である他のWebサイトオーナーも、いわば読者です。そのため、他のWebサイトオーナーにも「いいね」と思ってもらえるコンテンツを作っていきましょう。

では、どのようにしてコンテンツに魅力づけをしていくのでしょうか。

コンテンツに魅力づけをするポイントは次の3点です。

  • 独自性
  • わかりやすさ
  • 利便性・補足性

それぞれ説明していきます。

魅力づけ①独自性

コンテンツに魅力づけする1つ目のポイントは、独自性です。独自性は、調査記事ややってみた系記事で高めることができます。

これはよく私が違う手法になります。こちらの記事は私が書いた独自性のある記事です。

今年の2月にあげた記事で、アグリゲーションサイトと言われるSEO手法を調査分析して、自社サイトをやってみた記事です。

かなりマニアックな内容ですが、「業界の方には、興味関心を持っていただける記事ではないか」と自信を持ってつくりました。そして実際、Twitterで次のような多くの反響いただきました。

皆様にお褒めいただき、私自身も「本当に執筆して良かった。このように独自性を高めると有益な情報だと思ってもらえるんだ」と再認識しました。

このように独自性、なかでも調査記事は、コンテンツの魅力づけにおいて、非常に有効的な手段です。

魅力づけ②わかりやすさ

コンテンツを魅力づけする2つ目のポイントは、わかりやすさです。コンテンツの内容よりも、表現力で惹きつける方法で、インフォグラフィックやスライド、動画を使います。

内容にとんがった独自性は無くても、インフォグラフィックを見ることによってわかりやすくなったり、動画を見ることで消化して理解したりすることができます。

このように表現力でコンテンツに魅力づけをするやり方が、わかりやすさになります。

魅力づけ③利便性・補足性

コンテンツを魅力づけする3つ目のポイントは、利便性・補足性です。

補足性には、論文やとても詳しい解説記事が該当します。

例えば、私があるダイエット方法について記事を書いたとします。そのダイエット方法に医学的な問題がなくても、私は医師ではないので、問題がないと伝える権威がありません。

では、どうするのか。権威のある先生や博士の方の論文を引用させていただいたり、リンクさせていただいたりします。すると、「自分の書いている内容は他の方も正しいと言っています」と言及できます。

利便性には、まとめサイトやキュレーティングサイトが該当します。

コンテンツに独自性は一切ありませんが、散らばっている情報を1つのページにまとめることにより、新たな利便性、新たなコンテンツの魅力を創造する方法です。

コンテンツの著作権など、考慮すべき問題もありますが、キュレーションするだけで利便性を高め、コンテンツの魅力づけができます。

以上のように、コンテンツの魅力づけの方法は、独自性わかりやすさ利便性・補足性があります。

リンクアーニングでは、コンテンツを作りこんで魅力づけをして、他の人に「いいね」と思ってもらえる記事を作ることが大前提です。

続いて、しっかりと自信のあるコンテンツをつくった後にすべきことをご説明します。

2. 提案先リストの作成

2つ目のフローは、被リンク施策向けの提案先リスト作成です。提案先リストとは、他のウェブサイトの名前やURL、編集者さんをリストアップしたものです。

提案先リストは、次の流れで作成していきます。

順に説明していきます。

①提案先の発掘

まずはどこに提案するか、提案先の発掘です。今回は例として、こちらのページの提案先を発掘する際の具体例な流れをご説明します。

こちらは、弊社のSNSマーケティング分析ツール「Keywordmap for SNS」のランディングページです。つい先日公開しました。今回はこのページに興味関心を持ってくださる、リンクしてくださる方を探していきます。

このページでは、SNSマーケティングの分析ツールには関して説明しています。そのため、例えば、まとめ記事やいろいろなツールを紹介している記事は、紹介してくださる、リンクしてくださる可能性が高いのではないかと連想できます。

では、どのように提案先を探していくのでしょうか。

Google検索

提案先を探す1つ目の方法は、Google検索です。

例えば、「Twitter 分析 ツール」で検索します。すると、次のような記事がありました。

Marketing Native」というサイトで、Twitter分析ツール19選を紹介している記事です。情報をまとめて新たな付加価値を生み出している記事なので、「弊社のツールも紹介してくれませんか」という提案は理にかなっているかと思います。

このサイトは提案先としてリストアップします。

※「Marketing Native」は弊社の運営サイトです。

「最終更新日」をつけてGoogle検索

提案先を探す2つ目の方法は、Googleで検索する際に「最終更新日」をつけることです。これにより検索すると提案先が探しやすくなります。

例えば、「SNS 分析ツール “最終更新日”」で検索すると、記事系のサイトが出てきます。

記事系のサイトは、内容がしっかりと書かれていて、リンクしていただける可能性が高いです。「最終更新日」をつけて検索することで、記事系サイトだけ狙って抽出することができます。

発掘した提案先のリストは、Excelやスプレッドシートに記録していきます。記録するときのポイントは、公開日最終更新日を合わせて記録することです。

なぜなら、今あるWebページにコンテンツを加筆していただくことをお願いする上で、そのWebサイトは定期的に更新する意向があるのかないのかは、提案するかしないかの判断材料になるためです。 

公開日と最終更新日の日付が違う場合、そのWebページの編集室は、既存の記事も定期的にブラッシュアップする方針があると思われます。そのため、付加価値情報として提案することは理にかなっていると言えます。

このような判断をするために、投稿日と最終更新日は2つとも記録して、判断材料として使うことをおすすめします。

有料ツール「Ahrefs」を使う

3つ目の提案先を探す方法では、Ahrefsという有料ツールを使います。手順を説明していきますね。

(1) まずAhrefsにログインし、右上の[More]→[Batch analysis]をクリックします。

(2) 次の画面が表示されるので、自社のランディングページと競合するランディングページ、もしくは自社の製品と競合する製品のWebページのURLを入れます。そして、[OK]をクリックします。

(3) 次の画面が表示されます。「被リンク」の列を見ると、弊社の競合ランディングページは、平均で約500の被リンクを獲得していることがわかります。かなりの数の被リンクを獲得していることが定量的にわかりますね。

ここで、例えば「757」をクリックします。 

(4) 次の画面が表示されるので、[リンク交差]をクリックします。

(5) 次の画面が表示されます。3つの競合ページのURLを入れ、[OK]をクリックします。

(6) 次の画面が表示されます。 これらは、弊社の競合ランディングページ全てに対してリンクをしているドメインです。

 競合ページにリンクをしている=弊社のページに対しても興味関心を持っていただける可能性が高いサイト・ランディングページであると推測できます。

(7) 表示されたドメインを見ていくと、マーケティングサイト「LISKUL」さんの記事があります。LISKULさんのどの記事からリンクしているのか探すべく、クリックします。

 「SNSからの消費者ニーズを知る方法とツール5選」という記事があり、その記事から競合ランディングページにリンクしていることがわかります。

ここで「LISKULさんに対して、そのページにご提案ができる」と推測して、先程のリストに記録していきます。

このように提案先リストを作っていきます。営業リストに近いですね、

②連絡先の抽出

被リンク施策の提案先リストを作ったら、連絡先の抽出をしましょう。どのように連絡をするのかということです。

よくやりがちな悪い例は、お問い合わせフォームや代表のメールアドレスに連絡することです。これは返信が得られなかったり、無視されたりする可能性が高いため基本的におすすめしません。

連絡先のおすすめは、ライターさんや編集長さんです。迷惑にならない範囲で連絡しましょう。

では、どのようにライターさんや編集長さんの連絡先を獲得するのでしょうか。

多くの記事系サイトでは、記事の下にライターさんのプロフィールがあり、よくSNSのアカウントのリンクが載っています。そこから連絡先を抽出していきます。

もしTwitterとFacebookのどちらも載っていた場合、共通のフォロワー・知人がいるかいないかを、どちらから連絡するかの判断材料とします。

例えば、Twitterでは共通の知人・フォロワーがいるけれどFacebookではいないという場合、Twitterからご連絡した方が心理的ハードルが下がります。

連絡をして相手方も興味を持っていただいた場合、ほぼ確実に私のアカウントページを見に来ていただけるでしょう。その時に「共通のフォロワーがいる」と表示があると、心的ハードルが下がります。そのため、共通の知人・フォロワーがいる、もしくは多いアカウントから連絡することをおすすめします。

このようにライターさんや編集長の連絡先を抽出し、リストに記録していきます。

③提案先選別

最後に、実際に提案していくサイトを選別します。

選別する際には、どういう提案ができるかを考えましょう。よくやりがちなダメな提案は、次のような提案です。

このようなDMを送っても基本的には「すみません。できません」とお断りされてしまいます。これは当たり前ですよね。なぜなら、メールやDMを受け取ったライターさんからしてみると、

  • 急に何?誰ですか?
  • 迷惑な営業だな…
  • 面倒だな…

と思われてしまいます。そのため、いきなり自分の要望だけを伝えても、連絡も得られず、リンクしてもらえる可能性もほぼないでしょう。

自分からライターさんや編集者さんにご連絡する場合に1番大事なのは、相手方にメリットを提案できるかどうかです。これは、提案先の選別において重要なポイントになります。

自分がメリットを提案できる場合は連絡しても良いですし、提案できそうにない場合は無理に連絡する必要はありません。相手に迷惑をかけるだけですからね。

メリットがちゃんと提案できれば、相手から返信いただける可能性も高くなります。まさに、ギブ&テイクです。

私なら、このような形で提案します。

ポイントは、ダウンロードリンクをお送りしている点です。ダウンロードリンク先には、次のデータが含まれています。

  • 弊社のツールの資料
  • キャプチャ
  • 原稿

キャプチャや原稿案をお送りするのがポイントです。これは、基本的に私たちは、ライターさんや編集長に面倒や手間をかけないこと意識しているためです。

提案先の候補「Marketing Native」の記事でどのようにツールを紹介しているかをみてみましょう。ツールの紹介を200文字程度でまとめ、キャプチャを貼っていますね。

ここでライターさんの負荷は、紹介文を書く執筆の負荷と、キャプチャ取りの負荷です。この負荷を出来る限り軽減するために、私たちの方で案をお送りします。

もちろん私はライターでもないですし、文才があるわけではありません。そのため拙い原稿になりますが、出来る限り最大限の努力をして原稿を作ってお送りします。するとライターさんは、原稿案を見て、校正・校閲をして記載することができます。このように、相手に負荷をかけない提案をすることが大事です。

しかし緊急ではない限り、いきなり「載せてください」という提案はしません。まずは関係づくりです。

例えば次のように、まずは関係づくりに徹します。

そこで相手方から返信をいただけたり、一定の関係を構築できたタイミングで初めて、提案を差し上げるのが良い流れかと思います。リンクアーニング以前の話で、営業活動として大事なポイントですね。

別の方法として、提案先がWebメディアの場合は、題材を提供するとメリットが提案できるでしょう。

例えば、「Marketing Native」に対してはこのようなメールをお送りします。

 どのWebメディアさんも記事のコンセプトを決めて、良い記事を書かれていますが、企画やネタ出しには苦労されているのではないでしょうか。そこで、調査レポートをお送りし、メディアの方針やコンセプトに合った題材を提案できると、編集室や編集長にメリットとして感じていただけると思います。

このように、相手の立場に立つことができるかというのがポイントです。

先程、Excelシートやスプレッドシートにリストをまとめました。その1つ1つの記事で、編集室のコンセプトと、どういった提案ができるかを考えて提案内容を作っていきます。

提案内容がなかなか思いつかない、つまり自分が提案できそうにない場合は、無理に提案する必要はありません。相手に対してメリットを提案できないと迷惑にしかなりません。

3. 提案

提案内容を考えて始めて、実際に提案をしていきます。提案をする際は、SNSアカウント、メール、ファックス、電話などを使って連絡を取ります。

SNSアカウントを使用する際の注意点 

最近はSNSを通して連絡をすることが一般的です。ご自身のアカウントで連絡される際は、アカウントを客観視することをおすすめします。

たまに、次のようなTwitterアカウントからご連絡される方がいらっしゃいます。

  • Twitterのアイコンが自分の顔でない
  • プロフィール文がよくわからない
  • 他人の罵倒や、「だるい」などのツイートをしている 

DMがどれだけ丁寧でも、プロフィール文が怪しげだったり、内容が誰かを批判しているツイートあったりすると、良いイメージはありません。

そのため、公共的に問題のない発言をしている、きちんとしたアイコンを使っているアカウントから連絡することをおすすめします。

提案(営業)する際の注意点

ここで、提案(営業)する際の注意点が2つあります。

注意点1:ステルスマーケティングに該当していないか

1つ目の注意点は、ステルスマーケティングに該当していないかです。商品を提供して記事を書いてもらうと、ステルスマーケティングに抵触する可能性があります。

その記事がステルスマーケティングか否かをしっかり判断し、もし商品を提供する場合や金銭の授受がある場合は、「協賛」「提供」「広告」というハッシュタグや表示を必ず記載しましょう。

こちらは、WOMマーケティング協議会が提供している口コミガイドラインです。

ステルスマーケティングに該当するか否か、該当するのであれば読者に誤解を与えないように表示するにはどうすればよいかがしっかり載っているので、目を通すことをおすすめします。(出典:WOMマーケティング協議会

注意点2:Googleの品質に関するガイドラインに違反していないか

2つ目の注意点は、Googleの品質に関するガイドラインに違反しないことです。 

Googleの品質ガイドラインに違反するような意図的なSEOの事だけを考えた被リンク獲得は絶対にしてはいけません。

リンクプログラムに該当する、もしくは品質ガイドラインに違反するリンク獲得をすると、最悪の場合、手動対策(=ペナルティ)を受けて、検索エンジン経由のSEO集客数が一気に急減してしまいます。そのため、必ずガイドラインは遵守する必要があります。

これから自分がやろうとしている施策が、ガイドラインに違反しないことを必ず確認して、客観的に問題がないという場合にのみ、施策を実施するのが望ましいでしょう。

以上、今回はコンテンツの作りこみ、提案先リストの作成、そして提案と、被リンク獲得施策「リンクアーニング」の流れをお伝えしました。

本施策は検索エンジン最適化(SEO)の効果もありつつ、提案を通してのPR周知効果なども得られます。新たにオウンドメディアを立ち上げたなど、0→1でWebページを作成した際は、ぜひ本施策の活用を検討してみると良いでしょう。