コンテンツSEOで流入数や被リンクを増加させた事例

今回はコンテンツSEOでアクセス数・被リンク数を増やした成功事例を紹介し、そこから見るキーワードの選び方を解説します。

事例①|RapidAPI.com

1つ目の事例は、RapidAPI.comという海外サイトです。エンジニアが使うAPIをまとめた、APIのマーケットプレイスになります。

データベース型サイトとは

RapidAPI.comはデータベース型サイトですが、コンテンツSEOを活用して集客数を獲得しています。

データベース型サイトとは、小さな詳細ページがたくさんあり、それらをカテゴリーページでまとめてサイトを構築している大規模サイトです。

サイト全体の評価を上げることで、全体的なアクセスを取っています。

例えば、

  • Amazon
  • 価格.com
  • じゃらんnet

などが挙げられます。

データベース型サイトのメリット・デメリット

データベース型サイトのメリットの1つに、多数の検索クエリ(キーワード)を面で獲得できる点になります。

多数の詳細ページを構築し、各々のページやカテゴリページ群で集客を図る為、一度順位が上昇すると、アクセス数を膨大に取れるというメリットがあります。

知名度の高いWebサイトの多くがこのデータベース型サイトです。

一方、デメリットは、検索順位の上昇に時間がかかることです。

サイト全体の評価を上げてようやく順位が上がるので、サイト全体の評価が上がらない限り順位が上がらないのです。

反対にブログやオウンドメディアは、基本的には記事単体のページの評価を上げて順位上昇を図るため、短い時間で順位上昇させることができます。

しかし、ページ1つ1つで集客する記事ページに対し、データベース型サイトはサイト全体でネームを取るので、集客数が大きく異なります。

このようにデータベース型と記事型では、メリット・デメリットが異なります。

データベース型と記事型を合わせてサイト全体のアクセス数を最大化していくのが、昨今の流れでしょう。

そしてデータベース型と記事型を活用している例が、RapidAPI.comになります。

RapidAPI.comには、データベース型とブログ(ディレクトリ型)の記事が、どちらも存在します。

アクセスの多くをブログディレクトリで取っていて、データベース型の記事に送客している状態です。

では、SEOの集客数をどのくらい取っているのでしょうか?

今回はGoogle経由のアクセス数を調べてみました。その結果がこちらです。

全体のアクセス数の約半分となる58%がブログディレクトリ配下から取れていることがわかります。

次に、このブログ配下で獲得しているキーワードを調べてみました。その結果がこちらです。

「netflix api」「stock price api」「weather api free」などがあります。

このサイトの見込み顧客である、エンジニアが検索しそうなキーワードで上位を取れていますね。

ここから、

  1. あるエンジニアが開発中のWebサイトに天気予報の情報を載せたいと思い、良いAPIはないかと考える
  2. 「天気 API」 と検索すると、上位にRapidAPIのブログ記事が出てくる
  3. このブログ記事を見て「このAPIは良さそうだ」と思ってデータベース型、つまり商品詳細ページにアクセスする
  4. 申し込む

といった流れができていることがわかります。

データベース型記事とブログ型記事でカニバらないのか

「データベース側にも同じようなページはないの?」と思われるかもしれません。

ブログ側で取れているキーワードの対策ページはデータベース側にはないのか?カニバらないのか?ということですね。

データベース側にも同じような記事はあります。

例えば、ブログディレクトリに「Top  Best Email API」(=「EメールAPI 10 選」)という記事があります。このブログ記事対策キーワードは「email api」 です。

そして、このキーワードはデータベース型ページでも対策されています。こちらのページカテゴリー配下に設置されている「Email APIs」というページがあるのです。

では、この2つのページのどちらが上位にくるのでしょうか?

「e-mail apa」というキーワードをアメリカのGoogleで検索すると、

  • データベース型ページ  →  圏外
  • ブログ型ページ →  7位

となっていました。

集客を図りたいビッグキーワードの多くを、このブログディレクトリで上位表示している状況にあります。

本来はデータベース型で構築されたページ群で上位表示を図りたい所ですが、DB型ページ群の評価向上がなされなかった為、ブログページでそのキーワードを再対策しています。結果的に、ブログディレクトリで上位表示を実現し、集客に成功していると言えます。

もしデータベース型サイトを運営しており、なかなか検索順位が上がらない場合、

  1. カテゴリページで対策しているキーワードの順位を調べる
  2. その中で検索順位がついていないキーワードを抽出する
  3. そのキーワードで記事ページをつくって対策し、早期に集計を図る

といった対策ができるでしょう。

事例②|求人ボックス

続いて、求人ボックスというサイトの例を紹介します。

データベース型の求人サイトである求人ボックスは、SEO流入で大きく順位を伸ばしています。

現在のアクセスを見ると、右肩上がりで伸びています。

被リンク数の伸び

このサイトで注目したいのは、被リンク数の伸びです。

データを見ると、あるタイミングから被リンク数が急激に増えていることがわかります。

このタイミングで急増した原因を調べると、「給料ナビ」というコンテンツが獲得している被リンク数が急増していることが分かりました。

こちらは、求人ボックス全体を獲得しているDofollowの被リンク数です。この中で、給料ナビがリンク全体の約30~50%を取っています。

給料ナビとは、職種別の給料を紹介するノウハウ型コンテンツです。例えば、看護師の年収・時給を紹介する記事があります。

アクセスすると、

  • 正社員/アルバイト/派遣社員別の給料の差
  • 地域別の給料の差
  • 求人数の推移

などが1つにまとまった情報ページになっています。

看護師の年収だけでなく、次のようにさまざまな職種の時給・年収を調べたページがあります。

そして、これらのページの獲得被リンク数は、20~30本です。

調べると、このようなページが256ページも存在することがわかりました。実際は256以上あるはずなので、数100ページ存在することになるでしょう。

被リンク元は?

では、どこから被リンクを獲得しているのでしょうか?そして、質の高い被リンクを獲得しているのでしょうか?

被リンク元ページを調べると、例えば「AIエンジニアになるためには?仕事内容・必要なスキル」のページから求人ボックスの「AIエンジニアの年収・時給」のページにリンクされています。

他にも、次のようなリンクがありました。

  • 銀行員の年収・初任給を解説するページ
    → 求人ボックスの「銀行窓口の年収・時給」へ
  • 未経験からWEBデザイナーになるための勉強法・スキルを紹介するページ
    → 求人ボックスの「WEBデザイナーの年収・時給」へ

このように関連性・信頼性が非常に高いサイトから被リンクを受けているのです。

そしてその結果、サイト全体の評価を上げ、サイト全体の順位上昇にも影響を与えています。

ここから学べるのは、コンテンツを作る際は、情報探索型のキーワード=Know系クエリでコンテンツを作ると被リンク獲得にも貢献するということです。

例えば、先ほど紹介した看護師の年収・時給を紹介するページは、求人ボックスにとっての見込み客が検索して入ってくるページになります。

さらに見込み客の他にも、

  1. 他のサイトのライターが関連するコンテンツを作る際、看護師の給料を調べる
  2. 求人ボックスの記事が上位に表示される
  3. 「このページのコンテンツ情報は良い」と思い、ライターが自分の書いた記事から引用をリンクする

という流れも期待できます。

その結果、サイト全体の評価の向上にも繋がるんですね。

Know系クエリのコンテンツを作るということは、

  • 潜在顧客層の獲得
  • SEOにとって非常に重要な被リンクの獲得

の2つにつながるということになります。

求人ボックスは、実際にこの流れで被リンク獲得において成功されているんですね。

コンテンツSEOでできる対策

最後に、紹介した2つの事例から考えられる対策を紹介します。

データベース型で圏外のKWを記事型で対策する

考えられる対策の1つは、データベース型で対策しているキーワードの中で、圏外のキーワードを抽出して、記事型で対策することです。これにより、早期に流入数を増やすことができるでしょう。

具体的には、サイト内のカテゴリーページで対策しているキーワードの中で、順位が上がらないキーワードを記事ページで対策しましょう。

最近、記事型ページが上がりやすくなっているキーワードが存在します。例えば、「居酒屋 バイト」です。

上位のほとんどが一覧ページ=カテゴリーページですが、記事型ページも含まれています。

大型のデータベース型一覧ページがほとんど上位を占めるものの、記事型でも上位を狙うことができているんですね。

このように、記事型でも対策できるキーワードを探すことがかなり重要です。

記事型で対策できるキーワードの探し方

では、記事型で対策できるキーワード探し方を紹介します。

例として、今回は在宅ワーク関連のキーワードを429個調べてみました。

まずは、各キーワードの検索結果で記事ページが上位にあるかを調べます。

1つ1つ検索してスプレッドシートに集め、記事型かどうかを判断することもできますが、手間がかかります。

そこで今回は、Keywordmapというツールのバルク順位という機能を使いました。

すると、先ほどの在宅関連のキーワードの上位サイトが表示されるので、1~10位の競合サイトを調べました。

ここでドメインを見ると、ほとんどが大手データベース型サイトですが、1つあまり見かけないサイトがありました。

このサイトをクリックすると、このサイトが獲得しているキーワードが一覧で表示されます。順位を見ると、1位や2位を獲得しています。

さらに獲得URLに注目しましょう。すると、コラムディレクトリ=記事型ページが入っているディレクトリになっている事が分かります。

コラムディレクトリが獲得しているキーワードということは、記事型ページでも上位を狙えるキーワードだと考えられます。

大型データベース型サイトが占有していたキーワードの中で、記事型ページが入り込んでいるようなキーワードは狙い目のキーワードです。

このようなキーワードを探しながら記事型ページで対策することで、まだデータベース型側で上がってないキーワードを早期に順位上昇させることが期待できるでしょう。

まとめ

今回はコンテンツSEOでアクセス数・被リンク数を増やした成功事例として2つのWebサイトを紹介しました。

2つの事例から、コンテンツSEOの対策としては、記事型でも対策できるキーワードを探すことで、早期の順位上昇を狙えることがわかりました。

コンテンツを利活用した検索順位の順位上昇や被リンク獲得施策の参考になれば、幸いです。