キーワード分析は、ユーザーの検索意図を把握するために欠かせない作業です。
そこで本記事では、そもそもキーワード分析とは何なのか、どのような手順で行うべきかを解説したうえで、おすすめの便利ツールをご紹介します。
キーワード分析はしているのに、成果が上がらないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
キーワード分析ツールとは
キーワード分析とは、ユーザーが求めている「答え」と自社がコンテンツとして発信する「情報」を一致させるために、双方をキーワード化して分析する手法です。
以下のような要素を分析することで、市場のニーズ(ユーザーの検索意図)が明確になり、よりアンサー度の高いコンテンツに仕上がります。
- サジェストワード
- 検索ボリューム
- 検索順位
- 難易度
- 共起語
キーワード分析のプロセス
キーワード分析の手順は以下の通りです。
- ステップ1:キーワードの検索意図を分析
- ステップ2:競合キーワードの分析
- ステップ3:自社キーワードの分析
ここからは、3つのステップごとに詳しく解説していきます。
ステップ1:キーワードの検索意図を分析
最初に行うのは、キーワード分析の主要目的である「検索意図」の分析です。なぜユーザーはそのキーワードで検索したのか、消費者の心理や思考を深掘りする作業、といった方がイメージしやすいかもしれません。
検索キーワードから、ユーザーが抱えている悩み・疑問・課題・興味・欲求などを読み取り、的確な答えをコンテンツに盛り込みましょう。
ステップ2:競合キーワードの分析
キーワードの検索意図を分析したら、続いて「競合キーワードの分析」を行います。競合キーワード分析の対象として理想的なのは、同じ商品・サービスを提供していて、なおかつ自社より上位に表示されている他社サイトです。
特定のキーワードでランキング順位が1~10位のサイトに的を絞り、どのようなキーワードを用いているかをリサーチすることで、自社コンテンツの強みや弱点が見えてきます。
ステップ3:自社キーワードの分析
3番目に行うのが「自社キーワードの分析」です。
たとえば、自サイトではどのキーワードからの流入が多いのか、狙っていたキーワードの流入は期待通りか、などを分析することで改善点を探ります。
なお、自社キーワードの分析には「Google Search Console」や「Google Analytics」を用いるのが一般的です。
キーワード分析の方法
厳密に言うと、キーワード分析の方法は以下の2種類に分けられます。
- 「キーワード分析ツール」を使う
- 「アクセス解析ツール」を使う
それぞれ解説します。
「キーワード分析ツール」を使う
ユーザーが自社サイトへ流入した際に使った検索キーワードを調べたい時は、「キーワード分析ツール」を活用します。無料版としては「GetKeyword」や「ラッコキーワード」、有料版としては「ahrefs」などさまざまタイプがあるため、特徴を比較したうえで選びましょう。
「アクセス解析ツール」を使う
一方、アクセス解析ツールとは「Google Search Console」や「Google Analytics」など、基本的に自サイトと連携しているツールを指しています。
端的に言うと、自サイトに蓄積された情報から、流入している検索キーワードを調査するツールです。流入キーワード以外に直帰率なども分析できるのが特徴で、ユーザーニーズとコンテンツ内容が一致しているか、より多面的に精査したい時に役立ちます。
【目的別】キーワード分析ツールの一覧表
一口にキーワード分析ツールといっても、機能の種類はさまざまです。そこで以下の一覧表では、選ぶべきキーワード分析ツールが一目で見分けられるよう、目的別に分類してみました。
「関連KW」の分析ツール | ▼完全無料 ・GetKeyword ・ruri-co(るりこ) ・Google キーワードプランナー ・Google Search Console ・Googleトレンド ▼一部無料 ・ラッコキーワード ・Ubersuggest ・Keyword Tool ▼有料 ・Keywordmap ・ahrefs(エイチレフス) ・SEMRUSH ・kwfinder.com ・キーワードファインダー |
「検索ボリューム」の分析ツール | ▼完全無料 ・GetKeyword ・ruri-co(るりこ) ・SEOキーワード難易度チェック ・Google キーワードプランナー ・Googleトレンド ▼一部無料 ・ラッコキーワード ・Ubersuggest ▼有料 ・Keywordmap ・ahrefs(エイチレフス) ・SEMRUSH ・kwfinder.com ・キーワードファインダー |
「検索順位」の分析ツール | ▼完全無料 ・GetKeyword ・Google Search Console ▼一部無料 ・GRC ▼有料 ・Keywordmap ・ahrefs ・SEMRUSH ・キーワードファインダー |
「難易度」の分析ツール | ▼完全無料 ・GetKeyword ・SEOキーワード難易度チェック ▼有料 ・kwfinder.com |
「競合調査」の分析ツール | ▼完全無料 ・GetKeyword ・Google キーワードプランナー ▼一部無料 ・Ubersuggest ▼有料 ・Keywordmap ・ahrefs(エイチレフス) ・SEMRUSH ・kwfinder.com ・キーワードファインダー |
「共起語」の分析ツール | ▼完全無料 ・GetKeyword ▼一部無料 ・ラッコキーワード ▼有料 ・Keywordmap ・キーワードファインダー |
「トレンドキーワード」の分析ツール | ▼完全無料 ・Googleトレンド ・Yahoo!リアルタイム検索 ▼有料 ・kwfinder.com |
「YouTube」の分析ツール | ▼一部無料 ・Keyword Tool ・YouTube Keyword Tool(ahrefs) |
【完全無料】キーワード分析ツール7選
完全無料で使用できるキーワード分析には、以下の7種類があります。
- GetKeyword
- ruri-co(るりこ)
- SEOキーワード難易度チェック
- Googleキーワードプランナー
- Google Search Console
- Googleトレンド
- Yahoo!リアルタイム検索
GetKeyword
出典:GetKeyword
「GetKeyword」は、これまで有料タイプでしか提供されていなかった機能が、完全無料で使えるキーワード分析ツールです。たとえば、サジェストワードを調べると検索ボリュームまでセットで表示されるうえ、AIによるペルソナまで作成してくれます。
▼GetKeywordにできること
- 「サジェストワード」と「検索ボリューム」の一括調査
- 「難易度」と「YMYL度」の一括調査
- 関連キーワードのグルーピング
- 再検索ワードの調査
- FAQ履歴のリストアップ
- ペルソナの作成
ruri-co(るりこ)
出典:ruri-co
ruri-coとは、執筆業に特化したお仕事サイトの老舗「Shinobiライティング」の運営元である、CROCO株式会社が提供しているキーワード分析ツールです。登録・ログインなしで誰もが無料で使えるうえ、「キーワードの類似率」という珍しい機能を備えています。
▼ruri-coにできること
- 関連キーワードの調査
- 検索ボリュームの調査
- キーワードの類似率
- 競合サイトのタイトルタグでの使用率
SEOキーワード難易度チェック
SEOキーワード難易度チェックツールとは、難易度を数値化してくれるのが特徴のキーワード分析ツールです。難易度が高く上位化が難しいと判断できるボーダーボーラインの目安は、60以上と考えると良いでしょう。
▼SEOキーワード難易度チェックにできること
- キーワードのSEO難易度
- 検索ボリュームの調査
- EEAT度合い
Googleキーワードプランナー
Google キーワードプランナーとは、Google広告に装備されている機能で、登録するだけで一部の機能が無料で使える仕組みになっています。より精度の高い機能を使うには、月額200円ほどの広告出稿が必要です。
▼Google キーワードプランナーにできること
- 検索ボリュームの調査
- 関連キーワードの調査
- 広告の競合性調査
- リスティング広告の入札単価調査
- 地域やデバイス別の傾向
- 検索回数が多くなる時期
Google Search Console
Google Search Consoleはキーワードだけでなく、サイトパフォーマンスを評価するヒントを、細かく調査できる分析ツールです。サイトのインデックス状態をはじめ、被リンクや内部リンクの調査など用途は多岐にわたります。
▼Google Search Consoleにできること
- Googleサジェストの一括調査
- 検索順位、表示回数、クリック数、CTR、検索クエリの調査
Googleトレンド
出典:Googleトレンド
Googleトレンドとは、現在・過去・未来のトレンドキーワードを抽出してくれるキーワード分析ツールです。国・地域・期間による「絞り込み検索」まで無料で使えるため、SNSマーケティングでも活用されています。
▼Googleトレンドにできること
- Google検索エンジンのトレンドキーワード調査
- 過去のトレンドキーワード
- 未来の予測キーワード調査
- 検索ボリュームの推移
- 関連キーワードや関連トピック調査
Yahoo!リアルタイム検索
Yahoo!リアルタイム検索も、Googleトレンドと同じく今現在の注目キーワードを調査してくれる分析ツールです。ただし、Yahoo!リアルタイム検索とGoogleトレンドの調査結果を比較してみると、同じキーワードでも多少の違いが見受けられます。注目度の高いキーワードを使ってコンテンツを作成する際は、両ツールの共通点を探してみましょう。
▼Yahoo!リアルタイム検索にできること
- リアルタイム検索で注目されているキーワード調査
- ツイート数の推移
- ツイート内容からわかるポジティブ、ネガティブの比較調査
【一部無料】キーワード分析ツール5選
一部無料で使えるキーワード分析ツールとして、以下の5種類を紹介します。
- ラッコキーワード
- GRC
- Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
- KeywordTool(キーワードツール)
- YouTube Keyword Tool(ahrefs)
ラッコキーワード
出典:ラッコキーワード
ラッコキーワードとは、高ニーズの機能に特化したキーワード分析ツールで、初心者でも使いやすい仕様が特徴です。無料版は1日の使用制限が異なる2つのコースに分かれており、ゲスト会員1日5回までですが、メールアドレスを登録するだけのログイン会員は1日50回まで関連キーワードを調査できます。
ただし、検索ボリュームが調査できるのは有料会員だけの特権です。
▼ラッコキーワードにできること
- 検索ボリューム調査
- 関連キーワード調査
- 共起語調査
GRC
出典:GRC
GRCとは、ダウンロードして使用するタイプのキーワード分析ツールで、検索順位に特化しているのが特徴です。無料版には、登録可能URLが3つ、検索キーワードが20個までで、上位100位までの追跡が2個までという制限が設けられています。
▼GRCにできること
検索順位調査
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)とは、本来は有料版ながら無料版でも豊富な機能が使えるキーワード分析ツールです。関連キーワードの一括ダウンロードや、検索ボリュームの取得も無料で行えます。ただし、各種詳細データを得るには有料登録が必要です。
▼Ubersuggestにできること
- 検索ボリューム調査
- 関連キーワード調査
- 競合調査
KeywordTool(キーワードツール)
出典:Keyword Tool
KeywordTool(キーワードツール)とは、SNSごとにキーワードを分析できるツールです。特筆すべきは、ユーザーが検索窓にキーワードを入力した時にサジェストワードが自動表示される、「Googleオートコンプリート機能」を採用しているという点でしょう。
つまり、同じくGoogleが運営しているYouTubeのサジェストワードを調査した場合、その結果は非常に信憑性が高いと判断できます。
なお、無料版でも750以上の関連キーワードを選定することが可能です。
▼Keyword Toolにできること
- 関連キーワード調査
- 検索ボリューム調査(有料)
- 競合調査(有料)
- YouTubeなど各種SNSごとのキーワード調査
YouTube Keyword Tool(ahrefs)
出典:YouTube Keyword Tool(ahrefs)
YouTube Keyword Toolとは、有料版キーワード分析ツールとして有名は「ahrefs」が提供している、YouTube専用のツールです。入力フォームが非常にシンプルなため、初めてでも迷わず使えます。ただし、無料で取得できるのは検索ボリュームのみになっており、クリック率などの詳細を調べるには有料プランを契約しなければなりません。
▼YouTube Keyword Toolにできること
YouTube内の検索ボリューム調査
YouTube Keyword Tool(ahrefs)を使用してみる
【有料】キーワード分析ツール5選
この章では、有料版のキーワード分析ツールとして、以下の5つをご紹介します。
- Keywordmap
- ahrefs(エイチレフス)
- SEM RUSH
- kwfinder.com
- キーワードファインダー
Keywordmap
出典:Keywordmap
Keywordmapとは、一般的なユーザーニーズに加えて「別の切り口」まで見つかるキーワード分析ツールです。最大の特徴は、サジェストの調査結果が一目でわかる「マップ形式」で表示されるという点でしょう。
本来は有料ツールですが、使用感が試せる「7日間の無料トライアル」が用意されています。
▼Keywordmapにできること
- 検索ボリュームの調査
- 関連キーワードの調査
- 競合キーワードの調査
- 検索順位の調査
- 共起語の調査
ahrefs(エイチレフス)
出典:ahrefs
ahrefsとは、膨大なデータ量を誇る、世界トップクラスのSEOツールです。キーワード検索だけにとどまらず、被リンクやドメインランクなど、包括的なサイト分析ツールとして活用できます。
トライアル期間を含めて完全有料ではあるものの、そのスペックは折り紙つきです。
▼ahrefsにできること
- 関連キーワードの調査
- 検索ボリュームの調査
- 検索順位の調査
- 競合サイトの流入キーワード調査
- SERPのランキング変動調査
- 上位表示している他キーワードの抽出
- 該当キーワードを使っている新コンテンツの調査
SEMRUSH
出典:SEMRUSH
SEMRUSHとは、キーワードの難易度測定やグルーピングといった高機能が備わっているだけでなく、入力画面・結果表示ともにUI・UXが優れているキーワード分析ツールです。1つで何役もこなす多機能タイプと謳っているだけあって、競合サイトのアクセス数まで調査してくれます。
なお、無料お試し期間は14日間です。
▼SEMRUSHにできること
- 検索ボリューム調査
- 関連キーワード調査
- 競合キーワード調査
- 検索順位調査
kwfinder.com
出典:kwfinder.com
kwfinder.com(ケイ・ダブリュー・ファインダー・ドットコム)とは、複数の調査を一括で行えるキーワード分析ツールです。とくに、ロングテールキーワードの発見ツールとして定評があります。10日間の無料トライアルが用意されていますので、気軽に試せるのも嬉しいポイントです。
▼kwfinder.comにできること
- サジェストキーワードの調査
- 検索ボリュームの調査
- SEO難易度の調査
- 検索上位の競合サイト調査
- 検索トレンドの変化
- クリック単価の調査
キーワードファインダー
出典:キーワードファインダー
キーワードファインダーとは、順位変動の推移を、長期的に監視してくれるキーワード分析ツールです。いわゆる本格派のキーワード分析ツールとして定評があり、SEOコンサル企業などのプロにとっては、替えの効かない存在と言ってよいでしょう。
ただし、利用料は月額5万円からになっており、類似ツールの中でも高額に設定されています。なお、無料お試し期間は7日間です。
▼キーワードファインダーにできること
- 関連キーワードの調査
- 検索ボリュームの調査
- 検索順位の調査
- 競合キーワードの調査
- 共起語の調査
まとめ
キーワード分析は、SEO対策の最初の一歩と言われるほど重要な作業です。たしかに、アンケート調査やユーザー参加型のイベントを開催するなど、消費者のニーズを知る術はほかにもあります。
しかし、Webマーケティングに携わっているなら、ユーザーニーズを知る最大のヒントであるキーワードを分析しない、という選択肢はありません。キーワード分析を行う際は、ぜひ本記事でご紹介したツールをお試しください。