先日、Googleが「高品質な情報を見つける新しい方法」を発表しました。
Googleが情報の信頼性の担保に力を入れていることが強く伝わる記事で、いくつかの新機能や変更点が紹介されていました。今回はその中でも注目したいポイントを3つご紹介します。
今後Googleが重視するポイントを知れば、評価される記事も作りやすいでしょう。サイト運営者はぜひ読んでみてください。
本記事は、YouTube『【SEO】Googleは信頼性をどのように高めているのか!? 《新機能から読み解く》』を書き起こしたものです。
①強調スニペットの改良
1つ目は、強調スニペットの改良です。強調スニペットとは、検索キーワードに対してこのように表示される回答です。
まずはこの強調スニペットに関する変更点を解説していきます。
強調スニペットにAIを採用
これまで強調スニペットというと、Webページの文章の抜粋でした。しかし今後は、強調スニペットにAIモデル「MUM」を組み込んでユーザーが検索した質問に対して答えそのものを返すようなると発表されました。
実際の画面がこちらです。
キーワード「日本語の文法習得にかかる時間は」という検索に、「2~6ヶ月」と回答されています。
他にも検索してみると、以下のように回答が返ってきました。
- 「javascriptを習得するまでにかかる期間は?」→「約6~9ヶ月」
- 「犬を洗う頻度は?」→「3ヶ月ごと」
- 「食べ物は何回噛めば良い?」→「32回」
どの検索キーワードに対しても、ダイレクトに答えが返ってきています。検索エンジンから、もはや回答エンジンに変わっていると言えるでしょう。
このように、今までは部分的な抜粋だけだった強調スニペットが、今回の改良によって答えそのままを返すようになります。
Googleがどのように回答を生成?
Googleはどのように回答を生成しているのでしょうか?その方法に、コンセンサス(=意見の一致)を使っているようです。
例えばユーザーが検索したキーワードに対して回答を持つ信頼性のあるWeb ページがいくつか発見され、それらのページの回答がほとんどがある1つの同じ回答だった場合、検索クエリに対して共通した回答=コンセンサスが取れた回答があると判断し、これを1つの回答として採用するのです。
先ほどの例「食べ物は何回噛めば良い?」に対する「32回」という回答ですが、検索結果を見ると、複数のサイトで「32回」と書いてあります。
もちろん30回や33回というサイトもありましたが、ほとんどの信頼性のあるサイトは32回と言及しています。
ここからGoogleは、一般的な回答は「32回」と判断し強調スニペットとして表示するのです。
強調スニペットの表示数削減
また、Googleの発表には「強調スニペットの表示数を40%削減した」という記載もありました。
その理由は、検索クエリと強調スニペットの回答が一致しないケースが多かったためです。
例えば「スヌーピーがリンカーンを暗殺したのはいつか」と検索すると、リンカーンが実際に暗殺された日付や場所が強調スニペットに表示されます。
しかしスヌーピーは架空のキャラクターで、実際にリンカーンを暗殺していませんよね。
つまりこの強調スニペットは正しく回答していないことになります。リンカーン暗殺という点のみを見て、強調スニペットが表示されていたようです。
今回の改良によって、このように検索クエリや前提条件が一致しない場合は、強調スニペットが表示されないようになります。
コンセンサスを取れる回答ができるか
以上のように、強調スニペットはAIモデルのMUMが適用されることによって、強調スニペットはサイトの部分的な抜粋ではなく答えそのものを返すようになり、検索クエリをより正しく理解して回答を返すようになりました。
ここから個人的な見解をお伝えします。
情報の信頼性は今までE-A-T、つまり誰が言ったかという点が非常に重視されました。しかし今回コンセンサスを考慮するようになったことで、サイトの内容が正しいかまで見られるようになったと考えられます。信頼性がある団体や人々が回答する内容が同じであれば、その内容は正しいと判断されるようになるでしょう。
反対に、他の多くのサイトと異なる回答をするサイトは、他の回答と一致しない(=コンセンサスが取れていない)のでGoogleは「内容が不正確なのでは?」と機械的に判断するのではないかと予想されます。
今後は、
- コンセンサスを取れる回答しているかが、その発信源の情報の信頼性を判断する指標になり、
- Googleは内容の正しさを考慮して検索結果を表示していく
ことでしょう。サイト運営において抑えておきたいポイントです。
②About this resultの日本語適用
2つ目は、About this result機能の日本語適用です。
About this resultとは、各リンクの横にある3点リーダーをクリックすると、そのWebページが表示されている情報・理由が確認できる機能です。
この詳細には、そのページの運営元の情報や、概要、サイトサイテーション、レピュテーション、そしてそのWebサイトがGoogleにインデックスされてから何年経過したのか、といった情報が表示されています。
今現在は英語のみで表示されているこのAbout this resultが、日本語で提供されるようになります。
この情報はE-A-Tが確認できる情報でもあるので、ここからもGoogleはE-A-Tなど情報の信頼性の担保・向上に注力していることが読み取れます。
例えば、キーワード「葉酸 過剰摂取」では、強調スニペットに大塚製薬の栄養素カレッジというページが表示されています。
この3点ドットをクリックすると、大塚製薬のWeb ページの情報が出てきます。「More about this page」をクリックすると、Googleが認識している大塚製薬のホームページ情報の一部を見ることができます。それを日本語に自動翻訳したものがこちらです。
これを見ると、Googleは先ほどのページを大塚製薬が運営していると認識していることがわかります。よって大塚製薬の概要、大塚製薬のレピュテーション、求人サイトのレビューや、bloombergの会社紹介などのサイテーションなどが表示されています。
これらの情報はまさしく、E-A-Tの確認要素になるでしょう。
今までE-A-Tというと、E-A-Tの担保や構造化マーカーを用いて正しく発信源を伝えるなど、発信者側の行動が大半でした。しかしこのAbout this result機能では、ユーザーが自ら発信源の情報をチェックすることをGoogleが促進しているようです。
今までこの機能は英語圏のみのでしたが、今回国際的に日本も含めてリリースされます。ここから、GoogleはAbout this result機能を本格的に強化して、情報の信頼性を担保し、ユーザー側からも発信源情報を確認できるような機能を提供する狙いがある言えるでしょう。
③コンテンツアドバイザリー機能
3つ目は、コンテンツアドバイザリー機能の実装です。
コンテンツアドバイザリー機能とは、信頼性のある情報源が見つけられない場合に検索結果にアラートを出す機能です。
例として、キーワード「秘密結社に接触する方法」の検索結果の画面がこちらです。
信頼性のある情報が見つけられなかったため、アラートが表示されます。
赤枠内を翻訳すると、以下のようになります。
ここで表示される検索結果はあなたの検索キーワードにマッチするものです。しかしこれが検索結果の情報は確実性があるものとは言えません。
ソースをチェックして下さい。信頼性があるトピックかどうかも確認してください。
キーワードを別のものに変えて検索してみるなどをしてください。具体的でないワードの方が良い結果が得られる可能性があります。
情報の信頼性が怪しい場合、検索結果を表示する前にこのようなアラートを出すことでユーザーが誤った情報を認識をするのを防ぐことができるのです。
この機能からも、Googleが情報の信頼性を重視していることがわかるでしょう。
まとめ
今回ご紹介した他にもファクトチェック機能などさまざまな機能が発表されましたが、総じてGoogleが情報の信頼性の向上に注力しており、そのための機能をリリースしてきたことが読み取れます。
Googleが情報の信頼性の担保を強化していくということで、サイト運営者・SEOに携わる者としては情報の信頼性を十分に担保したサイト作り・記事作成をしていく必要があるでしょう。