【2023年10月】Googleコアアルゴリズムアップデートについての考察と対策

2023年10月にロールアウトされたGoogleのコアアルゴリズムアップデートの内容と特徴、それに対する対策を解説します。

アルゴリズムアップデートの頻発

最近はアルゴリズムアップデートが非常に頻繁に行われています。これまでは約3ヶ月程度の周期で行われていたものが、今年に入ってからはその間隔が短くなったように見受けられます。

特に直近2ヶ月間ではなんと四つものアップデートが行われ、これほど短期間で頻発するケースは非常に珍しいです。

尚、10月20日にツイッター上で10月のコアアルゴリズムアップデートの完了が報告されました。

今回のコアアップデートの傾向と影響

2023年10月のコアアルゴリズムアップデートにおいては、ドメインに重きをおいた過去の評価基準に一部戻ったような傾向が見られました。

では、ジャンルごとに上下変動したサイトの特徴を見ていきましょう。

仮想通貨系キーワード

ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨系キーワードで上位ヒットしているサイトの変動です。

上昇したサイトの共通点として「仮想通貨の事業を営んでいる会社のサイト」が挙げられます。仮想通貨の取引所や販売サイトなどの事業者サイトは今回のコアアルゴリズムアップデートで好影響を受けているようです。

一方で、運営元が仮想通貨業ではない場合、下落している傾向にありました。特に無関係な企業ドメインを借りて、サブディレクトリ配下で運営していたアフィリエイト型のサイト顕著な下落を見せています。

以上から、「事業者サイトが優遇」と見受ける事もできます。

YMYL混合脱毛系キーワード

SEOで激戦区な脱毛系キーワードと、「医療脱毛」などのYMYLに抵触するYMYL脱毛キーワードでも大きな変動を観測しました。

他キーワード領域と同じく、10月10日から11日にかけて1回目の変動が発生し、ロールアウト完了直前の19日に特定サイトが大きく動きました。

今回のコアアルゴリズムアップデートで上昇、下落したサイトを分類すると、自社サイト向けのオウンドメディアは上昇傾向にあるのに対し、アフィリエイト送客サイトは下落している傾向にありました。

特に、脱毛クリニック企業が来店者数増加の為に運営しているオウンドメディアが安定的に上昇していました。

これに対し、病院やクリニックのドメイン配下にサブディレクトリを借り、記事ページでSEO集客し、他脱毛事業者にアフィリエイトリンクで送客しているアフィリエイトサイトは軒並み下落していました。

ただし、すべての「サブディレクトリ賃借型アフィリエイトサイト」が下落している訳ではありません。

特定のクリニック配下にあるサブディレクトリサイトは、今回のコアアルゴリズムアップデートでも顕著に流入数を伸ばしているようです。このように、特定のサイトでは非事業者であっても急上昇しているケースもあります。

しかしながら、全体的には事業者である脱毛クリニックやサロンのオウンドメディアが上昇していました。

「事業者じゃないサイトが上位にいるけど…」

全体的には事業者や公式元が上昇傾向にあるものの、キーワード単位では非関連事業者のサイトが今でも上位に位置している事があります。

例えば「医療脱毛 おすすめ」で検索すると、1位~10位のページ全てがアフィリエイト送客を目的としたページです。

今回上昇した脱毛クリニックやサロンのドメイン(サイト)でも十分上昇が見込めるワードではあるものの、なぜ上昇しえないのか。

理由のひとつに、事業者サイトではその立場上、適切なコンテンツを発信しにくい為であると考えられます。

例えば「おすすめ」や「比較」などのキーワードに潜む検索意図には「あらゆるサービスを見て、その中から選びたい」という検索ユーザーの欲求があると想定されます。

しかし、事業者はその立場上、自社サービスのみ紹介する事になり、検索意図を満たすページ作りがし辛い背景があると考えられます。

今回のコアアルゴリズムアップデートで上昇したとある脱毛クリニックサイト配下で「医療脱毛 おすすめ」に合致するページを検索してみました。

しかし、上位にヒットしたのはお知らせページであり、コンテンツで満たされた比較ページではありませんでした。

他のコンテンツサイトで取り上げられた事を伝えるお知らせページがヒットしていました。

このように、「おすすめ」や「ランキング」「どこがいい」など複数商品やサービスなどを一覧化する事が求められるクエリでは、各事業者はその立場上作りづらい為、ページも存在しない、もしくは対象ページが検索意図を満たしきれていない為、上位ヒットしていない為と考えられます。

以上のように、脱毛系キーワードでも非事業者のサイトが現在も上位に位置している場合があります。

しかし、全体的には事業者や公式サイトが上昇傾向にありました。

金融系キーワード

最後は、SEOで定番の金融関連キーワードです。クレジットカードやキャッシングなど、SEOでも激戦区とされるキーワード領域を見ていきましょう。

他のキーワード領域と同じく、10月10日~11日にかけて大変動を観測しました。

クレジットカード会社や信販会社などの金融業の事業者サイトが上昇。

逆に、運営元が金融事業者ではないアフィリエイトサイトや個人ブログなどは下落しました。

もちろん、大手コンテンツサイトなど金融業を本業としていないサイトも上昇しているので、必ずしも金融事業者でないと上昇していない訳ではありません。ただ、全体的な傾向として直接的関連事業者やサービスのWebサイトが上昇基調にありました。

以下の順位表は、とあるクレジットカード発行会社の検索順位です。

分かりやすく10月11日から一気に検索順位が上昇している事がわかります。

この企業が急上昇したキーワードで、コアアルゴリズムアップデートがロールアウトされる前はどのようなWebサイトが上位に居たのかを調査するべく、検索結果のデータを比較してみました。

以前は、他社のサブディレクトリを借りたアフィリエイトが上位を占めていましたが、現在は事業者や大手コンテンツサイトが上位に入れ替わっていました。

尚、自社のコーポレートサイト(会社サイト)配下にサブディレクトリを設置し、アフィリエイトサイトを運営していたサイトの検索順位も確認してみましょう。

こちらも極めて分かりやすく、10月11日ごろから検索順位が一気に下落していることが分かります。

それまで、あらゆるクレジットカード関連のキーワードで1位~5位に位置していた順位は、今現在15位以下まで下落していました。

突然1日で下落している事から、明らかにコアアルゴリズムアップデートで順位が差し替わった(下落)サイトであると見て取れます。

しかし、この下落してしまった企業アフィリエイトサイト、コンテンツは非常に高く、検索者の課題解決にも貢献してくれそうな良質な情報サイトでした。

徹底したコンテンツの品質向上と維持(情報鮮度の維持)、情報発信に適任となる監修者や著者、Webサイトのブランディングなど、あらゆる面でWebサイトを作り込まれていたように感じました。

しかし、今回のコアアルゴリズムアップデートでは、他の事業者や公式サイトと検索順位が入れ替わり、結果的に下落してしまったようです。

以上のように、事業者や公式など発信者として一定の信頼が確証できるサイトが優遇的に上昇し、逆にそれら信頼が確認出来なかったWebサイトは今回のコアアルゴリズムアップデートで下落したように見受けられました。

結局は「ドメイン」なのか?

企業のコーポレートサイト配下にサブディレクトリを設置し急上昇したサイトは、今回コアアルゴリズムアップデートで他の事業者や公式サイトに順位を明け渡している所も多々ありました。

では事業者や公式のエンティティを持っていサイトした上位表示できないのかと言われると、そういう訳でもありません。

関連事業者ではないものの、ある日突然上位の順位を獲得するケースも発生しています。

以下の図は「クレジットカード おすすめ」の1位~30位を表したグラフです。

コアアルゴリズムアップデートがロールアウトされても、1位~8位ほどはさほど動きません。(動いても±2~3位)各社SEOに注力している為か、拮抗している状態にあります。

この超激戦区のキーワードに、ある日突然6位に浮上したページを発見しました。

このサイトは決してクレジットカードの事業者ではありませんし、専門サイトでもありません。

しかし、一定の運用歴や評価があるサイトでもあり、そのサイト(ドメイン)に対するEEATも確認できるのでしょう。

クレジットカードに関する記事を公開して直後に6位に位置しています。

このように、ある日突然、新規公開ページがいきなり10位内に浮上するケースがコアアルゴリズムアップデート後にチラホラ観測されはじめています。

以下は、「葉酸サプリ おすすめ」の検索結果データです。ある日突然、今まで上位メンツに居なかった新ページが急浮上し、上位順位を獲得しています。

他にも類似ケースはありますが、全キーワードで「事業者や公式サイトが優遇される」という訳でもありません。

サイトや運営元にそこまで専門性が確認できなかったとしても、ドメイン評価によってなのか、あるひ突然急上昇するケースもチラホラ確認されています。

これらデータをみると、今なおドメイン評価が与える順位影響の強さが垣間見れます。

今回のコアアルゴリズムアップデートの評価軸は何か?

あらゆるデータを調査し、私の感覚(解釈)で分かりやすくまとめると、下記の通りです:

円グラフ内の数字(パーセンテージ)には意味や根拠はありません。表したいのは、その比重の変化です。

8月のコアアルゴリズムアップデート前までは、ドメイン評価も重視されたものの、コンテンツ品質の回帰も見られました。しかし、今回の10月コアアルゴリズムアップデートで、もう一度ドメイン(サイト運営元)に戻ったように見受けられます。

尚、この比重値=SEOとしての重要性ではありません。テクニカルSEOの完備なども非常に重要です。あくまでも現アルゴリズムが決める順位決定要素に影響を与える箇所の割合を私の感覚で表したものですので、ご了承ください。

今後のSEOは何をすれば良い?

では、今回のコアアルゴリズムアップデートを踏まえて、今後のSEOは何をすれば良いか、私の見解をお伝えします。

まず、「眼の前のアルゴリズムを見た対応」と「永続的なサイト構築の対応」は全く違うという点です。

手前の流入数回復には、少なくとも現行アルゴリズムを考慮した対応がどうしても求められます。しかしこの対応は永続的に有効なものではありません。

逆に、即効性は無いものの5年、10年継続して伸ばし続けるには眼の前アルゴリズム対応とは異なる動きになります。

短期的な視点での対応

ひとつに参入可能なワード領域を探す事が挙げられます。

運営元の評価値が検索順位に大きく影響するのであれば、自社サイトが参入できる領域を正しく見定め、その領域から集客を展開します。

例としてクレジットカード領域のキーワードで見ていきましょう。

「クレジットカード おすすめ」で上位ヒットしているWebページのドメイン評価値を見ると、87や88といった非常に高い数値が表示されます。(※このドメイン評価値はあくまでも3rdパーティの値であり、Googleが算出しているものではありません)

キーワードを変えて「クレジットカード 縦型 メリット」にすると、上位ページのドメイン評価値も低く、新規サイトも上位表示出来ていることが分かります。

もちろん「クレジットカード おすすめ」といった需要が大きいキーワードで上位表示をしたいものの、自社サイトにそれに値する既存評価値があるかも考慮し、正しい参入可能領域を探していくべきでしょう。

参入可能な領域を見定め、サイトを成長させていく動きは今回のコアアルゴリズムアップデートに限った事ではなく、常時言える事です。

別のブログ記事で紹介したTed氏の例は正しくこれに該当します。参入可能なキーワードを探し、ページを設置。サイトの成長に合わせて徐々にトピッククラスターを構築し、集客数を増加した事例です。

今回のアルゴリズムアップデートで参入可能領域の選定は重要になるかもしれません。

競争性の高い領域に参入する場合には、自サイトがその領域における事業者であることを明確に示し、その領域に関する高品質なコンテンツを提供することが重要になると想定されます。

長期的な視点での対応

ここまでの話は短期的、つまり直近のアップデートに対する対策について述べてきましたが、本来SEOは長期的な視点で行うべきものです。

Googleのアルゴリズムは常に更新され、その都度対策を行うことは非効率的で、また一時的な評価変動に一喜一憂することは得策とは言えません。

下の図はとある企業ドメインを活用したアフィリエイトサイトの自然検索流入数の推移です。

ハック的要素で急上昇させて以降、毎回のアルゴリズム変更で影響を受けています。

集客数の変動幅(ボラティリティ)が激しく、わずか2年の内にアクセス数が半減しています。これでは事業として営むには安定性が無く、大きなリスクを伴います。

SEOでは時にアクセス数が急上昇する事があれば、それが永続する事もまたありません。特に現アルゴリズムの隙を突いて上昇させたサイトはアルゴリズムの影響を受けやすく、短命に終わりやすい傾向にもあります。

これでは事業として成り立たせる事は困難でしょう。

逆に永続しているサイトに目を向けると、その都度のアルゴリズム対策で伸ばしているようなサイトはほぼ見られません。

例えば、クレジットカード領域ではここ数年間、様々なサイトが上位にランクインしては数カ月後には下落するなど、入れ替わりが非常に激しかったです。

しかし、カカクコムとダイアモンドのみ上位を維持し続けています。これらサイトは、読者中心の運営指針を維持し、ページやサイト作りに取り組まれているように見受けられます。

結果、数年経っても尚上位サイトに君臨し続けていると、外部から見てそう思います。

以上を考慮しますと、中長期的に存在し続けるためには、やはりユーザーにとって価値ある情報を提供し、ユーザー体験を最優先に考えたウェブサイト運営を心がけたいものです。

そういった観点からも、Googleの公式ドキュメント「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」を参考に、サイト作りに取り組みたいものです。

最後に

Googleのコアアルゴリズムアップデートは、ウェブサイト運営者にとって避けて通れない課題です。しかし、その対策は一時的なものではなく、長期的な視点で行うのが望ましいでしょう。

その上で、ユーザーに対して価値ある情報を提供し、ユーザー体験を最優先に考えたウェブサイト運営を行うことが重要でしょう。そして、自サイトがその領域における事業者であることを明確に示し、その領域に関する適切なコンテンツを提供することでユーザーに便益を提供し、結果的にGoogleの評価を得ると、SEOに10年以上携わっている者として思います。

2023年10月のGoogleコアアルゴリズムアップデートの内容と特徴、それに対する短期的・長期的な対策を解説しました。本記事がみなさんのSEOに少しでも役立てれば幸いです。

※この文章は、YouTube動画をAIで書き起こし、人によって書き直ししたものです。