SEOで1位を取り続ける方法とは

我々は検索業界を10年近くみてきましたが、上位を獲得するサイトは実は2~3年周期で変わっています。一時的にアクセス数が伸びて収益が上がったサイトでも、1~2年経つと撤退してしまうこともよくあります。

入れ替わりも激しい検索結果において、Webサイトの事業を伸ばし続けるのは非常に難しいのも事実です。

しかし、そのように厳しいSEOでも常に上位を維持しているサイトも存在します。では、伸び続けるサイトになるにはどうするべきでしょうか。

そこで今回は、SEOで伸び続けるサイトになるためのポイントを紹介します。上位を獲得しても維持できない人も、上位獲得を目指している人も、ぜひ参考にしてみてください。

本記事は、YouTube『SEOで1位を取り続ける方法とは』を書き起こしたものです。

KW「クレジットカード」の上位10サイトを調査

こちらは2018年2月~2022年4月の期間で、「クレジットカード」という単ワードで1~10位にあるドメインをまとめたものです。1~10位のサイトがどのように変化をしたのか見ていきます。

まず、2018年2月に上位にあったサイトも、2022年4月にはほとんどが消えていることがわかります。2022年4月の上位サイトも、過去に上位にいたわけではないんですね。過去数ヶ月~2年前までは上位になかったのです。

このように、「クレジットカード」という単キーワードにおいても、上位サイトの入れ替わりが非常に激しいのです。

しかし、常に上位を維持し続けているドメインが2つあることに気づいたでしょうか。diamond.jpkakaku.comです。

では、なぜこの2つのドメインは上位を維持することができたのでしょうか?その理由を分析していきます。

注意

Webから入手できる情報をもとに、独自の見解や予想も含み解説しています。あくまでいち見解として見ていただきますようお願いいたします。

diamond.jpの特徴

まずは、diamond.jp(ダイヤモンドZAiオンラインα)をみていきましょう。

このサイトを分析していて気になったのは、ランディングページのURLが一切変わっていないことです。

こちらは、2018年2月~2022年4月までにdiamond.jpで上位にヒットしていたURLを表にしたものです。

2019年の1月からランディングページのURLが変化していないことがわかります。しかもこれは記事ページではないのです。

続いて、このページに過去にはどのような修正があったのかをWayback Machineで調べました。

変更履歴が多く、常にコンテンツの修正・追加・削除を徹底的に行っていることが読み取れます。

試しに、2021年10月のコンテンツと2022年5月のコンテンツをdifffで比較してみました。

複数の変更がありますが、1つは楽天クレジットカードに関する修正でした。

楽天クレジットカードの新デザインについてコンテンツが追加されていますね。

実際に楽天クレジットカードのデザインついて調べたところ、確かにデザインが新しくなっていました。しかも「楽天カード 新デザイン」でGoogle検索すると、このように3語のかけ合わせがサジェストされます。

デザインが新しくなることで、楽天カードに関する検索意図が増えたことになるんですね。

先ほどのページは、コンテンツを最新化することで新しい検索意図にも常に応えられるようになっているのです。

また他のパートに関しても、ほんの一部ですがコンテンツが修正されていました。

前年12月に出た新しい情報に対してすぐにコンテンツが最新化されています。

このように、diamond.jpの記事は、その時々のニーズに合わせてコンテンツを最新化することで、記事単位での情報の正しさを保っているのです。

各記事の修正頻度も非常に高いため、diamond.jpの編集部のなかにクレジットカードについて非常に詳しい方がいて、編集者が新しい情報をキャッチした瞬間にコンテンツを最新化しているのではないかと推測しています。

また、内部リンクの集約も戦略的に行われていると考えられます。なぜなら、同じ記事ページに対する内部リンクもキーワード対策の優先度によって異なっているためです。

例えば、「おすすめのクレジットカード」という重要性が高そうなキーワードと、「エポスカード」というキーワードの2つの記事に対する内部リンク数を調べると、次のようになりました。

数が大きく異なりますね。「おすすめのクレジットカード」というSEO難易度が非常に高いキーワードに、優先的に内部リンクを集約していることがわかります。

では、この内部リンクはどこから設置しているのでしょうか。1つは、記事内のこのような箇所です。

もう1つは、各記事についているナビゲーションバーからです。

diamond.jp配下にある各記事から、ナビゲーションバーを通して重要ページに対し内部リンクが集約されているんですね。このように、重要ページに対して戦略的に内部リンクを集約しているのでしょう。

まさにこれは、今はSEOで重要視されているトピッククラスターを戦略的に構築できていることになります。

さらに調べましたが、以下の点も徹底されているように見受けられました。

  • 各記事の構造化パターン
  • 専門家の監修

このように、サイト全体の構成がしっかり作りこまれていて、かつ現在重要視されているEAT対策もできているのが、diamond.jpの強みと言えるでしょう。

価格.comの特徴

続いて、常に上位を維持していたサイト、価格.comについてもみていきましょう。

こちらは「クレジットカード」というSEO難易度が極めて高いキーワードでも常に2位前後を維持し続けています。これは素晴らしいことですね。

価格.comとは、国民的に有名なサイトです。トップにアクセスすると、その下にカテゴリごとにディレクトリがあり、さらにその下に記事や口コミ、レビューページが入っている構造になっています。

この価格.comが「クレジットカード」単ワードで上位を獲ったLPを調査した結果がこちらです。

cardディレクトリ配下が常に上位を維持していることがわかりますね。cardディレクトリ、もしくはrankingディレクトリの直下が常に上位を獲っています。おそらく、クレジットカードのトップページが常に上位なのでしょう。

ではこのクレジットカードの専門ディレクトリ専門には、どれくらいのページ数があるのでしょうか。実際に「site:」で調べてみると、次のような結果になりました。

約2530インデックス、ページ数にすると約3000ページくらいかと思います。

このようにクレジットカードに関するページは、もはや専門サイト規模の数があります。

また、クレジットカードの専門ディレクトリを見ると、レビューコンテンツ(ユーザーが作るコンテンツ(=UGC))と記事ページが組み合わさっているんですね。この2つがあるために、情報も最新化することができます。

ディレクトリ単位で専門サイトが構築されており、外部からも評価され、被リンクもディレクトリごとで構築できています。

価格.comは大きな1つの総合サイトに見えます。しかし実は、専門サイトが複数あり、そのサイトごとに口コミやレビュー記事がある、といった専門サイトの集まりと捉えることもできるでしょう。

今のSEOにおいて評価がどんどん高まるサイト作りになっていると言えます。

まとめ

今回上位サイト分析して思ったのは、やはり上位サイトは基本に忠実であるということです。

上位サイトのほとんどがテクニカルSEOを徹底しており、Googleが高品質と提唱しているコンテンツを作ることができているのです。

そしてさらに重要な点は、継続的に運用していることです。

上位サイトを分析すると、そのほとんどが上位を獲った後も更新を続けていることがわかりました。上位を維持できないサイトの多くは、一度コンテンツを作って上位を獲ったら更新や修正の頻度を落としてしまうのです。更新を止めた瞬間に順位が落ち始めるケースはよくあります。

しかし、上位を維持するには、コンテンツを作り続けたり最新化させたりと、メンテナンスを続ける必要があります。これは簡単なことではないので、継続的な運用を可能にする体制も重要になってきますね。

上位サイトは、基本に忠実に、継続的な運営を行うことが徹底できているのです。まとめると、SEOで上位をキープするポイントは次の3つです。

  • テクニカルSEOの徹底
  • 高品質なコンテンツ作成
  • 継続的な運用

特別なことではなく、サイト作りの基本ですね。ぜひ皆さんもこれらのポイントを意識して、SEOで上位を守れるサイト作りを目指しましょう。