SEOにおいて、網羅性は必要でしょうか?
網羅性に関してはTwitterなどでもさまざまな議論がされています。
そこで今回は、網羅性がないとSEO順位は上がらないのか、今回は1位を取るために網羅性が必要なのかを調べていきます。
本記事は、YouTube『【SEO】長文コンテンツで1位は取れるのか?網羅性は本当に必要?』を書き起こしたものです。
網羅性とは?
網羅性とは、全体をカバーするという意味です。あるテーマに関して記事を書く場合、そのテーマに関連するAもBもCも全てをカバーした記事が、網羅性が高い記事になります。
なぜこの網羅性がSEOに重要視されるかというと、検索意図に応えることができると考えられるためです。
網羅性についての主な意見は次の通りです。
さまざまな検索意図にできる限り応えようとすると、それぞれの検索意図をカバーする必要があるため、網羅性は必要。ライティングでも意識するべき。
網羅性なんて今は不要。大事なのは独自性。キーワードごとにページを作れば良い。
しかしキーワードは同じでも、その背景にある検索意図は実は異なるというケースもあります。
例えば、「旅行 おすすめ」というキーワードを見てみましょう。月間検索回数は約2万回です。
このキーワードを検索する人は、子連れで行ける旅行を探している人もいれば1人旅行を探している人もいます。
このように、同じキーワードでもその背景に潜む検索意図は異なるケースがあるんですね。これらのニーズにきちんと応えていくには、網羅性が重要になるという考えの根本にあります。
こうなるとどうしても、ロングコンテンツになりがちです。
しかし、「スモールキーワードで検索した時に、そのキーワード専用のページが出てきた」と思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回、実際に調査してみました。
Webから入手できる情報をもとに、独自の見解や予想も含み解説しています。あくまでいち見解として見ていただきますようお願いいたします。
実際に調査してみた
今回は、「ヘッドセット おすすめ」とうキーワードを例に調査をしてみました。
このキーワードで検索すると、このようにずらっとGoogleサジェストが出てきます。
このキーワードの検索意図はある程度存在すると考えられます。
これらのGoogleサジェストで検索ボリュームが10%以上のものを抽出すると、258個ありました。
これらのサジェストの検索結果を抽出し、常に上位にあるページを調べました。
その結果がこちらです。
まず常に出てくるサイトとしては、SAKIDORI(sakidori.co)や価格.comマガジン(kakakumag.com)などのコンテンツサイトが上位にありました。
それでは、この2つのサイトを詳しく分析してみましょう。
「SAKIDORI」の場合
まず、一番占有しているSAKIDORIの高いケースを見てみましょう。各キーワードの順位を見ると、次のような結果になりました。
70%近くが上位表示と、非常に高い上位表示率です。
では、獲得しているページを見てみましょう。その結果がこちらです。
右上の数字は各ページのURLになります。
グラフを見ると、複数のページでキーワードを確保してことがわかります。
以上から、1ページの網羅性が高いロングコンテンツで上位を獲っているわけではなく、テーマごとに合わせた記事を作り、ページごとでキーワードを獲っていることがわかりました。
ではより詳しく調査すべく、Excelでデータをダウンロードしました。その結果がこちらです。
これは調査した258個のキーワードでヒットしているランディングページと、各ランディングページが獲得しているキーワード数を表しています。
ヘッドセット関連キーワードにヒットしたページを見ると、42ページも存在します。今回調べた258個のヘッドセット関連キーワードについて、全てを1ページで獲っているのではなく、48の個別ページでとっていることがわかりました。
続いて、これらのページで扱われているテーマを調べるために、タイトル文を抽出しました。
今回調べた「ヘッドセット おすすめ」いう大テーマに関して、全般ページもあれば、“Web会議向け”、“ゲーミング向け”、“PS4向け”など、テーマごとに専用ページを用意しているのです。
ヘッドセットに関連するテーマを1つのページにとにかく詰め込んで網羅性の高いコンテンツにしているのではなく、各々のテーマごとにページを作り、各ページでキーワードを獲得しているのです。
「価格.comマガジン」の場合
続いて、価格.comマガジンを見ていきます。価格.comマガジンは価格.comが運営されているコンテンツオウンドメディアです。
実際に価格.comマガジンがヒットしているページはこちらです。
ランディングページは7ページしかありません。SAKIDORIは42ページだったので、大きく異なりますね。
しかも大半のキーワードがこの1ページで獲得しています。
では、この1ページの網羅性が非常に高いのでしょうか。このページが獲得しているキーワードを調べると、次のようなキーワードを獲得していました。
ヘッドセット全体に関連するキーワードが取れていますね。“Web 会議向け”、“ゲーミング向け”、“PS4向け”と全てを詰め込んだページで全キーワードを獲得しているのではなく、あくまでヘッドセットのおすすめの全般ページだけを用意していると言えるでしょう。
SAKIDORIは、全般ページ+テーマごとの専用ページを作っていました。そこでSAKIDORIと価格.comマガジンの1~10位の獲得キーワード数を比較すると、専用ページを複数作っているSAKIDORIの方がヒットキーワードが多いことがわかります。
網羅性は必要なのか?
では改めて、網羅性は必要なのかを考えてみましょう。コンテンツを詰め込んだ網羅性の高いページでキーワードを獲得するべきか、それとも各キーワードで記事を作るべきなのか。
結論としては、キーワードごとに記事を作る必要性もありませんし、1つのページもしくは少数のページで網羅性を高める必要もありません。
一番大切なのは、トピック単位で分けて、トピックごとにページを表示させることです。
今回の例の場合、「ヘッドセット おすすめ」がメイントピックになり、1ページになります。こういったトピックをまとめたリストをつくって、記事を作成しページを用意するというのが正しい流れになるでしょう。
トピックごとの範囲内でしっかり網羅性を担保していく必要あるのです。
以前、このようなツイートをしました。
網羅性を高めようとして必要とされない情報を入れ込んでも、網羅性を高めていることにはなりません。
今回の例では、メイントピックとなる「Web 会議 おすすめ ヘッドセット」というページで“Web会議とは”、“Web 会議の歴史”、“Zoomとは”、といった内容は不要です。
あくまでも “Web 会議で使えるヘッドセットのおすすめ”、“価格帯”、“使用感”などをしっかり網羅する必要があります。
このように、検索ユーザーが何を必要としているのかを考えて、メイントピック範囲内で網羅性を高めることを目指しましょう。
それでは、どこまで網羅すべきか考えてみましょう。
範囲としては、トピックごとに分けて、そのトピックごとに網羅性を担保する必要があります。
この範囲を把握するにはリストを見ながら作業していくのがおすすめですが、リストを1つ1つ作るのはかなり手間ですよね。そこで、このリスト作成におすすめのツールを紹介します。
「キーワード難易度分析ツール」という無料ツールになります。
手順を説明します。
- 調査したいキーワードを入れる
- トピッククラスター分析の「トピックのみ」をクリック
- 結果を「Excelダウンロード」
すると、このようなExcelシートがダウンロードされます。
このシートを見れば、どのトピックを選ぶべきか、どれぐらいのアクセスが見込めるのかを判断しやすくなるでしょう。
リストの見方は次の通りです。
左側に「メイントピック」があり、その横にトピックの案も表示されます。
この表で3番目を見ると、「PS4 ヘッドセット おすすめ」がメイントピックになっていますが、「PS4ヘッドセット」で上位なので、こちらがメイントピックじゃないか、と提案してくれています。
さらに右を見ると、メイントピックで常に上がっているページのタイトル文が表示されます。そのタイトルも踏まえてAIが作ったタイトル文が表示されます。このタイトル案も見ながら、実際どういうテーマで記事を作っていくべきかを判断しましょう。
さらに右には、メイントピックで1位になった時の想定集客数が表示されます。そのキーワード1位になった時にどれほどのSEOアクセスが見込めるのか、獲得キーワードはどれぐらいなのかを確認できます。
このExcelの1行1行が1ページ・1記事になると考えましょう。
この表を見ながら編集会議などをすると、「このテーマ・このページは取り上げるのか、作る必要があるのか」といった判断をしやすくなるでしょう。
また、今回ご紹介した無料ツール「キーワード難易度分析ツール」ですが、表示されるデータは一部になります。特に1位の想定集客数のデータ精度はまだ不十分です。
より正確に判断したい方には、「【RP】Keywordmap」がおすすめです。より正確なデータを確認することができます。
7日間の無料体験期間もありますので、気になる方はぜひお気軽にお試しください。
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まとめ
今回、1位を取るためには網羅性は必要なのかについてお伝えしました。
実際に上位のページを分析した結果、トピック単位で分けて、トピックごとにページを表示させることが重要だとわかりましたね。
むやみに長文のページを作っても意味がありません。きちんと読者が必要とする情報を網羅して、検索意図に十分に応える記事を目指しましょう。