Twitterマーケティングでは、良質なツイートコンテンツを発信し続ける事で、見込み顧客となるユーザーと接触し、認知を拡大する事ができます。
しかし、情報を発信していても見込み顧客となるユーザーと接触できなければ、本当の一人つぶやきに成りかねません。
Twitterでは「引用ツイート」や「いいね」「リツイート」「リスト」「フォロー」など様々な機能が用意されており、これら機能を利活用する事で、見込み顧客層と接触できます。今回は様々な手法の1つである「ハッシュタグの活用方法」を説明します。
定期購読(Follow)までの流れ
発信する情報に対して共感や賛同を示し、定期購読するユーザーをフォロワーと定義した場合、フォローするまでの流れは以下の3ステップが説明できます。
1)ツイートコンテンツを見る
リツイートやいいね、ツイート検索などを通して潜在読者は自社が発信したツイートコンテンツを見ます。
2)プロフィールページにアクセスする
そのコンテンツ内容に共感したり、有益性を感じた場合、発信者であるアカウントへ興味が湧きプロフイールページにアクセスします。
プロフィールページではプロフィール文や固定ツイートなどに目を通します。
3)フォローするか否かを判断し、フォローボタンを押す
潜在読者はプロフィール文やアイコン、固定ツイート、最新ツイートを見て自分がフォローしたいかを瞬時に判断します。
フォローしたいと感じた場合、フォローボタンを押しフォローします。
3つのステップの中で、第1のツイート閲覧数(接触数)を増やす所から着手すると事から始めてみます。
潜在読者層との接点を増やす方法は数多くありますが、今回はハッシュタグを活用しツイートコンテンツと潜在読者の接触数(閲覧数)を増やす方法について解説します。
#タグを活用して接触数を増やす方法
そもそも、なぜハッシュタグで潜在読者層によるツイートコンテンツの閲覧数を増やす事ができるのでしょうか。
あるユーザーが他者のツイートを読んでいた際、ツイートに含まれるハッシュタグをクリックするとTwitterの検索結果に遷移します。
この検索結果には様々なアカウントのツイートが並んでおり、自社のツイートも当該ハッシュタグを含んでいる場合、検索結果に表示される事があります。
この検索結果を通して新規潜在読者層と接触する事ができます。
上の図はとある新規アカウントのTweet Analyticsの数値です。
まだフォロワー数が少ないアカウントにも関わらず、ハッシュタグをツイートに含めると、約0.3%前後でハッシュタグのクリックが発生しています。一定のフォロワー数を抱えているアカウントであれば、より多くのクリックが発生します。
以上のように、ハッシュタグをクリックする読者ユーザーは一定数以上存在しており、これらTwitter検索ページに遷移するユーザーとハッシュタグを通して接する事が可能と言えます。
#タグを選ぶ時のポイント
ハッシュタグを選ぶ際は、マーケティング効果を最大化させるタグを選ぶようにしましょう。今回は選ぶポイントとして3つ紹介します。
1)ツイートボリューム
ツイートボリュームとは、対象となるハッシュタグを含むツイート総数を指します。
ツイートボリューム数が多いという事は、そのハッシュタグを閲覧するユーザーの数も自ずと増え、クリック数も一定数期待できると考えることができます。
Twitter検索ページへの遷移数は「当該ハッシュタグの表示回数×ハッシュタグのクリック率」になり、ツイートボリュームは表示回数に該当します。
他のユーザもつぶやいていないハッシュタグの場合、潜在読者によるハッシュタグクリックは殆ど見込めない為、必ずツイートボリューム数が一定数以上あるハッシュタグを選定します。
当然の事ではありますが、ツイート内容とハッシュタグの内容は合致している必要があります。単に接触回数を増やす目的で関連性の低いハッシュタグを含めた場合、ツイートに対するエンゲージメントは獲得できず、本来の目的であったフォローやエンゲージメントの獲得は果たす事ができないでしょう。
意味は同じでも漢字・ひらがなの違いでツイートボリュームが全く異なる事があります。
例えば、「#YouTube」は3万以上のツイートボリュームに対して、「#Youtube」( t が小文字) は2千と両者には12倍もの差があります。せっかくハッシュタグを選定しても、小・大文字の違いで自ら小さい市場に大切なコンテンツを投下する事になり、マーケティング接触機会の損失につながってしまいます。
以上を避けるためにも、ハッシュタグを選ぶ際は必ず多くのユーザーが利用しているタグを選定します。
Twitter検索は日本語の同義語認識精度がまだ発展段階にあり、例えば平仮名の「つながりたい」と漢字の「繋がりたい」を検索すると全く異なる検索結果が表示されます。(※英字の小文字・大文字は同一単語して正しく認識されている模様)
以上からも、意図せずにツイートボリュームが少ないハッシュタグを選ばないよう、同義語の関連タグも存在しないかチェックしましょう。
2)ランクインの難易度
ランクイン難易度とは、Twitter検索結果の上位順位の獲得難易度を指します。
基本的にユーザーは検索結果ページを上位(1位)から下位へと見ます。
1位のツイートコンテンツほど表示回数が増え、下にいくほど表示回数は減り、エンゲージメント獲得率やプロフィールページへの遷移数も減ります。
つまり、ハッシュタグによる接触効果(集客効果)を発揮するためには、Twitter検索結果の上位に表示される必要がある訳です。
これはGoogle検索エンジンを対象とした「SEO」と概念が似ていると言えます。
上の図はとあるハッシュタグのTwitter検索結果ページに表示された1位~10位のツイートコンテンツとそのエンゲージメントを集計したものです。
Twitterはそのプラットフォームの特性上、より新しいコンテンツ(情報)が優遇され、古い情報は意図的に検索しない限り上位に表示される事はありません。しかしながら、高いエンゲージメント値を獲得している場合、ツイートしてから数日間経過していても上位に表示される事があります。
また、検索順位とエンゲージメント値に相関がある事も分かりました。
検索順位とリツイート・いいね数は相関しており、上位順位にランクインしているツイートコンテンツほどリツイート数やいいね数を多く獲得しており、逆に下位に進むほどエンゲージメント総数も下がる事が分かりました。
また、エンゲージメント重みも リツイート > いいね >= リプライ と計算されている可能性が高く、最終的な検索順位は(リツイート数×RT重み)+(いいね数×Fav重み)+(リプライ数×Reply重み)の合計で決定されると想定されます。
ハッシュタグによって上位にランクインする難易度も変わってきます。
エンゲージメントが非常に高いツイートが上位に並ぶハッシュタグ(検索結果)の場合、自社のツイートコンテンツが上位にランクインしている競合ツイートコンテンツと同等またはそれ以上のエンゲージメントを獲得しなければ上位順位に表示される可能性は低いでしょう。
過去の自社ツイートエンゲージメント獲得実績から、どのハッシュタグであればエンゲージメント値で競合コンテンツと同等・それ以上獲得でき、上位順位を獲得できるか調査し、出来る限り上位順位を獲得できるハッシュタグを選定します。
3)平均いいね数
各ハッシュタグが獲得した平均いいね数を選別指標として利用します。
Twitterを使い慣れているユーザー(Twitterを日常使いしており、Twitterが好きなユーザー)は比較的いいねやリツイートを頻度高く行う傾向にあり、ハッシュタグ検索への遷移も期待できます。
また、いいねを獲得すると※トップツイートに指定され、既存フォロワーや、フォロワーのフォロワーに表示される可能性が高まります。
Twitterユーザーに好まれるコンテンツ内容・形式で、なおかつ繋がりを生みやすいハッシュタグを平均いいね数で選別し、ハッシュタグによる接触効果を高めます。
※トップツイートとは、エンゲージメントが高いツイートであり、各ユーザーのタイムラインに優先的に表示されるツイートの事。
上の図はSNS分析ツールKeywordmapで「ダイエット」関連のハッシュタグをツイートVolの降順で並べた表です。
ツイートVolが一定数以上あり、なおかつ平均いいね数が1以上、一定数未満のハッシュタグを選定します。
平均いいね数が極端に多い場合、一部のマイクロインフルエンサーや権威性があるアカウントによる全体いいね数の底上げの可能性が考えられる為、おおよその目安として平均いいね数が1以上、20未満を選定するのが良いでしょう。
※対象としているテーマによって目安となる値は変化します。
関連ハッシュタグも抽出する
ツイートを見ていると、メインテーマのワードを含まないハッシュタグが用いられているケースを目にします。
上の図は「ダイエット」に関するツイートの事例です。
ダイエットに関してつぶやいていますが、ハッシュタグには「ダイエット」を含んだタグはありませんでした。代わりに「#脚痩せ」や「#痩せたい」などダイエットに関連性があるハッシュタグが含まれていました。
以上のように、ダイエットについてつぶやいているツイートであっても、ハッシュタグは必ずしも「ダイエット」から始まるものではないタグを使っているケースが往々にしてあります。
ツイート文からハッシュタグを逆引きする
関連ハッシュタグを抽出するには、メインキーワードを含むツイートを抽出し、それらツイートに含まれるハッシュタグを抽出します。
ハッシュタグDBから検索するのではなく、ツイートDBからハッシュタグを逆引きする事で、メインキーワードを含まない関連ハッシュタグも漏れなく抽出する事が可能です。
自らTwitterデータを収集し抽出する事も可能ですし、Keywordmapを利用する事で簡単かつ高精度に関連ハッシュタグを抽出できます。
Keywordmapの場合、検索対象「ツイートから」に主軸キーワードを入力し、キーワードを含むツイート個数を「3以上」と指定します。
含有ツイート数が少ない場合、一般的に利用されていないノイズタグも含まれてしまい、後々の精査に工数を要するため、これらノイズを排除するためにもツイート個数を3以上に設定します。
抽出した「主軸キーワードを含むハッシュタグ」と「関連ハッシュタグ」を並べ、今後のコンテンツ計画や企画に反映します。
ハッシュタグは時としてTwitterにおける情報のニーズを表すキーワードでもあるため、抽出したハッシュタグをもとにコンテンツマップを設計していきます。
ハッシュタグからニーズマップを作成
「主軸キーワードを含むハッシュタグ」と「関連ハッシュタグ」からニーズマップを作成し、コンテンツや情報に対するTwitterユーザーのニーズを読み解いていきます。
抽出したハッシュタグを「ニーズ軸」で分類し、各ニーズ軸に紐づくハッシュタグを並べていきます。
このニーズマップ(コンテンツマップ)を作成する事で、メインテーマに対する情報のニーズがわかりやすく可視化され、自社におけるTwitterコンテンツマーケティングの企画・計画に大いに役立ちます。
ニーズマップは無料ソフト「XMind」で作成できますので、ぜひハッシュタグ抽出後に作成してみる事をおすすめします。
最後に
今回ご紹介した「ハッシュタグの選び方」はTwitterマーケティング手法の1つにしか過ぎません。その他にもツイート分析やコンテンツ企画書の作成、プロフィール改善などTwitterというプラットフォームを最大限活用する方法は多数存在します。
ただし、あくまでも定期購読者であるフォロワーのニーズと自社の強みが交差する場所で、有益な情報を発信し続ける事が大前提となり、その前提の上で各論である各施策が功を奏します。その順番を間違わないよう気をつけたい所です。
なお、今回ご紹介したKeywordmapはハッシュタグの分析の他に、ツイート文分析や言及アカウント分析、拡散Webページ分析、インフルエンサー分析などSNSマーケティングを行う上で必要な分析機能を備えているマーケティング調査ツールです。
現在、無料トライアル受付中です。
ご興味のある方はぜひKeywordmapホームページからトライアルをお申し込みいただけます。