アグリゲーションサイトのSEO戦略

近年、SEO業界で注目を集めているのが、自動生成したページでアクセス数を急増させているアグリゲーションサイトです。これらのサイトは、大規模なデータベースを活用して膨大な数のページを自動生成し、検索エンジンからの流入を獲得しています。

今回は、このアグリゲーションサイトについて、その仕組みやSEO戦略、成功事例と失敗事例を交えながら詳しく解説していきます。

アグリゲーションサイトとは

アグリゲーションサイトとは、大規模なデータベースを基に、大量のページを自動生成してアクセスを獲得するウェブサイトのことです。これらのサイトは、主に以下の2つの方法でデータを収集しています:

  1. 自社開発のクローリング技術でデータを収集
  2. 他のサイトから提供されるデータを一つのデータベースに集約

収集したデータを元に、膨大な数のページを自動生成します。例えば、求人情報や商品情報など、大量のデータを扱う分野で特に効果を発揮します。

アグリゲーションサイトの代表例

Indeed

アグリゲーションサイトの代表例として、求人情報サイトの「Indeed」が挙げられます。Indeedは、このようなアグリゲーションシステムを使って大量のページを生成し、多くのアクセスを獲得しています。

Indeedの特徴は、数多くの求人関連キーワードでSEO上位表示を獲得していることです。

様々な求人系のキーワードで検索すると、ほぼ必ずIndeedのページが上位に表示されるほどの強さを誇っています。

Indeedは、このような自動生成されるアグリゲーションページだけでなく、「キャリアガイド」という記事型コンテンツメディアも運営しています。しかし、アクセスの大半は自動生成されたページが占めます。

求人ボックス

ここ数年で、SEOで頭角を現してきているのが「求人ボックス」です。

求人ボックスも、様々なキーワードで上位表示を獲得し、急速にアクセス数を伸ばしています。

求人ボックスの成長は、2018年からの自然検索流入のグラフを見ると一目瞭然です。右肩上がりで急激に伸びており、その成長速度は驚異的です。

また、アグリゲーションサイトの収益性は非常に高いことが知られています。求人ボックスの運営元であるカカクコムの決算書を基に、具体的な数字を見ていきましょう。

売上収益

売上収益および利益ともに右肩上がりで伸びています。

月間利用者数

月間利用者数(アクセス数に近い指標)も着実に増加しています。

求人ボックス事業の収益

2025年度の第1四半期の売上収益は27億円、セグメント利益は11億円となっています。これは、約40%の利益率を示しており、非常に高収益な事業であることがわかります。

このように、求人ボックスは急速な成長を遂げ、カカクコムの新たな収益の柱として確立されつつあります。アグリゲーションサイトの成功例として、今後も注目されるサービスと言えるでしょう。

SEOの重要性

アグリゲーションサイトを成功させるためには、SEOが極めて重要です。その理由は以下の通りです:

  1. 無料トラフィックの獲得: Googleから無料のトラフィックを獲得することで、広告費をかけずに集客できます。
  2. 早期の利益獲得: SEOによる自然検索流入は、一度上位表示を獲得すれば継続的にトラフィックを得られるため、早期の利益獲得につながります。
  3. スケーラビリティ: 一度SEOの仕組みを確立すれば、新しいキーワードやカテゴリーにも容易に展開できます。

そのため、SEOをしっかりと実施し、様々なキーワードで上位表示を獲得することが、アグリゲーションビジネスの成功の鍵となります。

アグリゲーションサイトのSEOで押さえるべきポイント

アグリゲーションサイトのSEOで特に重要なポイントの例として、下記が挙げられます:

  1. ページ生成能力とデータベースの確保
  2. 生成したページの品質維持

これらのポイントを押さえることで、以下のような重要なSEO指標を向上させることができます:

  • クロール数
  • インデックス率
  • 流入獲得ページ率

結果として、自然検索からの流入が増加し、売上の増加につながります。

ただし、これらのポイントを実践するのは簡単ではありません。そこで、具体的な成功事例と失敗事例を比較しながら、詳しく見ていきましょう。

成功事例と失敗事例の比較

失敗事例:インデックスコントロールの欠如

ある英語圏のアグリゲーションサイトは、昨年のヘルプコンテンツアップデート以降、アクセス数を大きく減らしてしまいました。この事例から、アグリゲーションサイトの失敗パターンを学ぶことができます。

このサイトの問題点は、ページ品質の維持ができていなかったことです。具体的には、以下のような問題が見られました:

意味が類似するページの発生

例えば、「フロリダ州のタンパ市の求人」と「フロリダ州のタンパの求人」という、ほぼ同じ意味の2つのページが生成され、両方ともインデックスされていました。

これは、日本語で言えば「愛知県名古屋市の求人」と「愛知県名古屋の求人」のように、意味としてはほぼ同じですが、微妙に表現が異なるページが複数存在している状態です。

無意味なページの生成

存在しないような意味不明なキーワードでもページが生成され、インデックス対象になっていました。

例えば、「SEO言及チャンネル」というような、実際には求人がないようなキーワードでもページが生成され、インデックスされていました。

インデックスコントロールの欠如

すべての生成ページが無条件でインデックス対象となっており、低品質なページが大量に発生していました。

例えば、「コンサルタント SEO 求人」と「SEO コンサルタント 求人」のような、意味が重複するページも両方がインデックス対象になっていました。

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これらの問題により、Googleはこのサイトのページを以下のように扱うようになりました:

  1. インデックスしない: クロールはしたものの、品質が低いと判断してインデックスしない。
  2. クロールしない: ページの存在は検出したが、品質が低いと予想されるためクロールすらしない。

結果として、サーチコンソールの「ページのインデックス登録」で、以下のような状態のページが増加

  • 「クロール済み – インデックス未登録」ページ
  • 「検出 – インデックス未登録」ページ

このように、インデックスコントロールの欠如により、クローラーによるサイト回遊率やインデックス化率の低下に繋がり、生成ページのインデックス数が増えず、結果的に流入数が減少に至るのではないかと考えられます。

成功事例:適切なインデックスコントロール

一方で、アクセス数を伸ばしている英語圏のアグリゲーションサイト「ZipRecruiter」は、適切なインデックスコントロールを行っています。

ZipRecruiterは、ページ生成とインデックス制御のバランスを取ることで、高品質なページのみをインデックス対象としています。

正確なURLでのページ生成

「Work From Home(在宅勤務)」というキーワードで検索すると、関連する求人一覧ページが適切に生成され、インデックスされています。

では、「Work From Homes」という微妙に異なるURLでアクセスした場合はどうなるのでしょうか?

ページは生成されますが、インデックス対象とするかどうかを独自のシステムで判断しています。これにより、重複コンテンツの問題を回避しています。

このような適切なインデックスコントロールにより、ページ品質を維持しつつ、アクセス数を伸ばすことに成功しているように見受けられます。

アグリゲーションサイトのSEO戦略の要点

アグリゲーションサイトのSEO戦略は、通常のコンテンツSEOとは大きく異なります。ここで重要なのは、高度なシステム開発力です。具体的には、以下の点が重要になります:

  1. データベースの構築: 高品質で大規模なデータベースを構築することが、アグリゲーションサイトの基盤となります。自社でクローリングを行うか、外部からデータを取得するかを適切に判断し、常に最新のデータを維持する必要があります。
  2. ページ生成システムの開発: データベースから適切にデータを抽出し、SEOに最適化されたページを自動生成するシステムが必要です。このシステムは、URLの構造、タイトルタグ、メタディスクリプション、本文の構成など、SEOの様々な要素を考慮して設計する必要があります。
  3. インデックスコントロールシステムの構築: 生成されたページの品質を自動的に判断し、インデックス対象とするかどうかを決定するシステムが不可欠です。このシステムは、重複コンテンツの防止、低品質ページの排除、カニバリゼーションの回避などを自動的に行う必要があります。
  4. パフォーマンス最適化: 大量のページを持つアグリゲーションサイトでは、サーバーのパフォーマンスが重要になります。高速なページ読み込み、効率的なデータベースクエリ、適切なキャッシュ戦略などを実装する必要があります。
  5. ユーザー体験の向上: 単にデータを表示するだけでなく、使いやすい検索機能、フィルタリング機能、ソート機能などを実装し、ユーザーが求める情報を容易に見つけられるようにすることが重要です。
  6. モバイル最適化: 多くのユーザーがモバイルデバイスからアクセスすることを考慮し、モバイル体験の最適化が必要です。
  7. スケーラビリティの確保: アクセス数の増加に伴い、システムが安定して動作し続けられるよう、スケーラブルなアーキテクチャを設計する必要があります。
  8. データ分析と継続的な改善: アクセスログ、ユーザー行動データ、検索パフォーマンスデータなどを常に分析し、システムの改善点を見つけ出す必要があります。

このようなシステム構築は、主にエンジニアの領域となります。つまり、アグリゲーションサイトのSEO成功には、SEOの知識だけでなく、高度な技術力も必要不可欠なのです。

※この文章は、YouTube動画をAIで書き起こし、記事化したものです。